●本授業の目的およびねらい
国民国家におけるリベラル・デモクラシーは、現在一つの規範となる政治体制と考え
られているが、グローバル化によって「国民」概念が揺らぐと共に、そこに基盤を置く
デモクラシーも新しい展望を必要としている。この転換期にあって、何が変わりつつあ
るのかを把握するためにも、19世紀以来の国民国家とリベラル・デモクラシーの形成
過程をたどり、歴史感覚を養うことが本講義の目的である。具体的にはヨーロッパを対
象として、以下の項目を検討する。
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●履修条件あるいは関連する科目等
特になし
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●授業内容
イントロダクション
1.政治発展論/ヨーロッパの共通性と多様性
I.自由主義と国民主義
2.自由主義と議会政
3.「国民」形成と国家
4.大衆政治の時代
II.「危機の20年」
5.第一次世界大戦と「国民国家」の形成
6.戦後の体制選択:「革命」・議会制民主主義・ファシズム
7.民主制発展の困難
8.世界恐慌と民主政の崩壊
9.民主制の革新と停滞
III.戦後体制とその変容
10.戦後体制の模索と東西ヨーロッパの分岐
11.自由民主主義体制の安定と多様性
12.社会変容と戦後体制の揺らぎ
13.民主化の第三の波とヨーロッパ統合
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●成績評価の方法
小テスト、レポート、学期末試験で総合的に評価する。
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●教科書
講義の際、レジュメ、資料等を配布する。
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●参考書
平島健司、飯田芳弘『ヨーロッパ政治史』放送大学教育振興会、2005年
その他、講義中に適宜紹介する。
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●注意事項
適宜ビデオなどで理解を補う。各講義の最後に学生が記入するリアクションペーパー
と、学期途中の小テストで理解度を確認しつつ進める。書評小レポートも予定している。
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