●授業内容
最近は,理系だけでなく文系の分野にもますます数学的手法が使われるようになってきた
.このような傾向は,たとえば,自分の主張を他人に認めさせるためには論理的説明が必
要であり,その主張の根拠を明確な形で示す必要があるからであろう.ここでいう明確な
形の根拠とは,多くの場合,数字で示すことがもっとも客観的であり,効果的である.
多変量解析は,そのような効果的かつ客観的な数字を,与えられたデータからどのように
えぐり出すかを与えるツール群である.本講義では,多変量解析の中でも最も利用されて
いる3つのツール,回帰分析,主成分分析,そして因子分析を中心に説明する.これらの
方法を理解するためには,多少の数学的知識が必要となるが,文系の学生を念頭において
,数学的知識をその都度補いながら講義を進めていく.ここで重要なことは,どのような
数学的問題が解くことができるのか,できないかを認識することである.また,多くの例
を紹介し,各方法の考え方,使い方を理解できるように工夫する.これらの方法は適切な
データとデータ分析の方針が与えられてはじめてその威力を発揮するものであるので,教
科書などでは説明されることの少ない,データの集め方やその利用の仕方についても考え
る経験をしてもらう.
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