2006年度 シラバス情報詳細

●科目区分
理系教養科目

●科目名
地球惑星の科学
●主担当教員名
田中 剛

●単位数
2単位

●開講時期
U 期
金・2
●対象学部
工学部



●本授業の目的およびねらい
地球惑星の科学は、時間と空間の科学である。一つのビッグバンから出発し、同じ物理化

学法則のもとにありながら、なぜ地球や宇宙の不均質が生じたか?現在の地球惑星系を理

解するには、その系が宇宙の進化の中でどのような位置にあるかを把握する事が重要であ

る。時間尺度からは、元素の生成から地球誕生の直前までを、空間的には、銀河の不均質

からミクロンサイズの粒子形成までを、元素や同位体の挙動を軸に講議をすすめる。  

キーワードは、”なぜそう考えられるようになったか?”と”先地球惑星時代”    

                                        


●履修条件あるいは関連する科目等
とくに無いが、元素名や鉱物名がとびだす!そこを自分で調べないと”宇宙語”での授業

を聞いているようになるかも?? 高等学校で物理と化学を履修していると聞き易い。 

                                        


●授業内容
以下の内容について、考え方の変遷 ”なぜそう考えられるようになったか?”を軸に 

講義をすすめる。                                

                                        

・なぜ一片の隕石が広大な宇宙の研究に用いられる価値を持つか?          

・隕石の多様性とその意義・・・・・・・コンドライト、炭素質隕石、隕鉄とは?   

                隕石は流星の燃え残りではない。それらの持つ意義。

・太陽系内の元素分別と同位体の均質性・・太陽系内諸惑星の化学組成の違いの形成理由

・同位体不均一と核合成・・・・・・・・先太陽系の研究にもちいられる物質と核種。 

・消滅核種の検出とその意義・・・・・・昔は大量に存在したが、今は天然には無くなっ

                   てしまった核種がある。その検出法と利用法。

・希土類元素の宇宙化学・・・・・・・・希土類元素は、宇宙と地球の研究に用い得る 

                   有力なツールである。なぜか?その成果は? 

・元素の生成と物質進化・・・・・・・・今、地球上で手にする元素や同位体はどのよう

                   にして現在に至ったのか?         

・地球の年代を計る放射壊変系・・・・・地球の年令45.6億年はどのようにして得ら

                   れたか?                 

・元素/同位体の記録から解析する原始地球の形成                 

               ・・・・地球は単純に隕石が集まったものではない! 

・巨大隕石の落下によって恐竜が絶滅したといわれるその論拠は?          

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        


●成績評価の方法
数回のレポートと筆記試験                            

                                        

                                        



●教科書
とくに用いない。必要な図表はプリントして配布する。               

                                        

                                        


●参考書
・ハイデ/ウロツカ著、野上長俊訳「隕石」 シュプリンガー出版          

・増田/中川/田中 著「宇宙と地球の化学」 大日本図書             

                                        

                                        


●注意事項
・名古屋大学博物館には巨大な鉄隕石が展示されている。時間のある時に見学し、   

 話を聞いておくこと。                             

                                        

                                        



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