●本授業の目的およびねらい
セミナーのテーマ: 森林はどう捉えられ、どう描かれてきたか? -非二次元的な表現も題材に含めて- 本研究セミナーは、ステレオタイプ,ビジュアル表現のもたらす問題について,森林を題材として考える「少人数セミナー形式」の授業です。森林をどう捉えるか,どう表現するかという行動には人々の抱く様々な「期待や理想」も影響します。「グループ討論」,「テーマ設定」、「調査・解析」、「発表」のトレーニングを通して、「森林表現」の面白さとステレオタイプに陥りやすい危うさを実感しましょう。
|
●履修条件あるいは関連する科目等
ステレオタイプ,ビジュアル表現および「森林はどう捉えられ、どう描かれてきたか?」について興味があること。 本授業では、パソコンの操作方法は指導しない。
|
●授業内容
セミナーのテーマ: 森林はどう捉えられ、どう描かれてきたか? -非二次元的な表現も題材に含めて-
親自然空間の演出,地球温暖化対策としての造林など,近年,森林の機能に期待する事 例は多い。しかし複雑な空間構造と多様な構成要素を有する森林を適切に評価し表現する 方法は未完成であり,文理にわたる多分野での森林の議論に貢献できていない。そのため 森林があれば全て良しというような森林神話やステレオタイプの蔓延を許してしまってい る。そこでこの基礎セミナーではいくつかの事例に着目し,過去および現代社会において 森林はどのように捉えられどのように表現されてきたのかについて,議論を進めたい。 前期の開講では,主に二次元的な表現を題材として授業を進める。
1.基礎概念の解説と理解。 2.記号化や,図像化,ステレオタイプの形成などについて解説する。 3.各自のもつ「森林のイメージ」を披露し合い、関心の類似や相違について討論する。 4.各自の研究テーマと研究計画を披露し合いながら、背景や手法の類似や相違について 討論し,グループとして共同で取り組める部分を整理し,研究に着手する。 5.解析方法とまとめ方,およびプレゼンテーションの方法について指導する。 6.グループとしての共同部分の研究成果を発表し、議論する。 7.グループの共同部分の研究の今後の展開について,グループの枠を超えて議論する。 8.必要ならグループを再編し,各自の今後の展開方向に向けてグループ研究を進める。 9.各自の研究テーマの「背景」「位置付け」「目的」「方法」「予想される結果」など を確認し,研究計画を発表する。 10.ここまでのグループ研究を活かし,各自の研究計画に基づいて研究を進める。 11.各自の研究の最終報告を発表し、議論する。 ※ 予習の手掛かりとなるような資料は適宜配布する。
|
●成績評価の方法
・興味を持続し課題を掘下げる姿勢。・着眼の面白さ。・グループと個人研究のバランス。・発表の内容。・討論への参加。(各20%)。※履修取り下げ制度を採用する。
|
●教科書
使用しない。
|
●参考書
田中隆文(2008)環境問題はイメージでは解決しない。ステレオタイプに惑わされ ないための水土保全学講義ノート.星雲社,126 田中隆文(2015)想定外を生まない防災科学.すべてを背負う「知の野生化」,古今書院,289
|
●注意事項
無遅刻・無欠席を求める。
|
●本授業に関する参照Webページ
|
●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
ビジュアル表現の溢れる現代ですが,それはステレオタイプを招くという危うさももたらします。「森林はどう捉えられ、どう描かれてきたか?」という視点から,身近だけれど単純ではない題材である森林を眺めてみるといろいろな発見があると思います。都市の真中にいても,地下街にいても,あるいはテレビをみていても,様々な場で,様々な形で森林が表現されています。その驚きのひとつひとつを大切にすることが,この基礎セミナーの予習となります。
|