●本授業の目的およびねらい
授業テーマ:日本語と漢字・漢語・漢文 日本語の表記には漢字を利用している。漢字は中国由来であり、カタカナやひらがなも漢字をもとにして作られた文字であることは受講生にとって既知のことであろう。日本人はどのようにして漢字を受け入れ、自分たちの言語の表記に用いてきたのか。それは漢字についてのみで考える問題ではなく、漢語語彙、そして、漢文についてまで思考をめぐらせる必要がある。本授業では、日本語における漢字・漢語・漢文受容の様相を論じ、最終的には現在の日本語をめぐる問題について一緒に考えていきたい。
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●履修条件あるいは関連する科目等
特になし。高校での漢文履修(漢文訓読法の基本を知っていること)を前提として講義をする。
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●授業内容
毎回テーマを設けて講義をする。以下のような内容を予定している(一部変更の可能性あり)
1 オリエンテーション 漢字とは 2 漢字の歴史 3 漢字の輸入 4 漢字・漢語の受容 5 江戸期以前の和製漢語 6 明治期以降の和製漢語 7 日本における漢文の受容 8 漢文訓読の歴史 9 漢詩と訓読 10 漢文脈の形成 11 荻生徂徠の直読論 12 明治期以降の漢文文化 13 現在の日本における漢字制限 14 漢字文化圏の諸問題その1:文字の違い・文字コード 15 漢字文化圏の諸問題その2:漢字音・語彙
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●成績評価の方法
2回or3回の課題(ミニレポート)及び期末試験による。
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●教科書
高島俊男『漢字と日本人』(文春新書2001) 前野直彬『漢文入門』(ちくま学芸文庫2015) 齋藤希史『漢文脈と近代日本』(角川ソフィア文庫2014)電子書籍版あり
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●参考書
授業内で紹介する。
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●注意事項
教科書はその内容をすべて講義するものではなく、また、教科書ではほとんど触れられていない内容も授業にはある。上記3書は安価に入手でき、かつ、質の高い書籍として、授業と平行して読んでもらうためのものである。 授業に関する連絡、資料配布等はNUCTを介して行う。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
大多数の受講生は、日本語母語話者であろう(もちろん日本語を母語としない学生の受講も歓迎する)。自分たちが現在日常的に使う言語にまつわる問題について、基礎知識を有した上で、考える機会を持ってもらえればと思っている。
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