●本授業の目的およびねらい
歴史上の芸術作品に関して、その成り立ちや、表現方法、素材、媒体、作家の意図など
について分析することにより理解を深める。また作品と同時代の言説がどのように関連づ
けられたのかを、具体的な作品例を見ながら解説する。他方20世紀以降のアートと、歴
史上の他の芸術様式等との比較検討も本講義の重要なテーマとなる。またここで扱う作品
群は、絵画、彫刻といった従来の形式だけにとどまらず、映像、パフォーマンス、インス
タレーション、パブリックアート、メディアアートなど拡張された芸術領域もその対象と
する。
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●履修条件あるいは関連する科目等
条件は特にないが、アートや、その関連分野に興味を持っていることが望まれる。小中
高校で、「図画工作」や「美術」が苦手であった人でも、現在、なんらかのかたちでアー
トを観たり、作ったり、それについて考えたりしたいと思っている人は受講してほしい。
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●授業内容
01.導入(日本における美術教育と美術館の現状)
02.美術の中の見ることと見られること1(ピカソにおける盲目のモチーフ)
03.美術の中の見ることと見られること2(見ることの暴力性/相対性)
04.アンリ・マティス(時間の表現)ロザリオ礼拝堂
05.アンリ・マティス(プロセス&ヴァリエーション)
06.宗教観と身体イメージ(ピエロ・ディ・)(ピエロ・ディ・コジモからバーホーベ
ンまで)
07.テクノロジーと身体イメージ(アンドロイドの文化)
08.反復する身体イメージ(複式夢幻能)
09.空間の中のアート1(彫刻の歴史)
10.空間の中のアート2(彫刻概念の拡張)
11.物質の芸術/現象の芸術(光と音)
12.移動/経路/ネットワークのなかの芸術
13.カタストロフィーについて
14.映像とアニメーション
15.美術館の現在(ミュージアムとオフ・ミュージアム)
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●成績評価の方法
レポートの提出を求め、その評価によって成績とする。
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●教科書
特にない。
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●参考書
西村清和「現代アートの哲学」、暮沢剛巳「美術を知るクリティカル・ワーズ」、
暮沢剛巳「美術館はどこへ?―ミュージアムの過去・現在・未来」、
批評空間 別冊「モダニズムのハードコア」
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●注意事項
授業中に課題としてミニレポートを課すことがある。
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