●本授業の目的およびねらい
17世紀ヨーロッパの科学革命以来、科学が成功を収めてきていることは周知の事実で
ある。
しかし、正確には17世紀の科学は「自然哲学」と呼ばれ、広い意味での哲学の一分野
にすぎなかった。では「科学」はどのように生まれ、現代まで考えられてきたのだろう。
本講義は、「科学」という概念の発生から、現代の科学哲学までを考察することを通じて
科学とは何か、科学と非科学・疑似科学との境界線はどこにあるのか、といった視点から
科学哲学に入門することを目的とする。
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●履修条件あるいは関連する科目等
授業に関心を持って取り組めること。歴史的、哲学的な観点から「科学」とは何かをしつ
こく考察していくタイプの授業なので、スッキリとした解答を求める者には不向きかもし
れない。
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●授業内容
1.イントロダクション−授業の概要の説明
2.17世紀ヨーロッパの科学革命
3.ニュートンの「我仮説を作らず」
4.19世紀における「科学者」の誕生
5.ダーウィンの進化論をめぐる論争(1)
6.ダーウィンの進化論をめぐる論争(2)
7.心理学はいつ科学になったか
8.科学の境界線問題−ポパーの疑似科学批判
9.科学の境界線問題−ポパーの反証主義の展開
10.パラダイム論−クーンの累積的進歩観批判
11.パラダイム論−クーン以降の展開
12.科学的実在論論争−科学的実在論の主張
13.科学的実在論論争−構成的経験主義
14.総括−結局のところ科学とは何なのか、境界は引けるのか?
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●成績評価の方法
3回のレポート(10点×3で、30点満点とする)
授業中に、ペアワーク(2〜3人でのディスカッション)を行い、+αとして、ペアワー
クおよび授業中での態度も評価に含める場合がある。
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●教科書
教科書は指定しない。
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●参考書
伊勢田哲治『疑似科学と科学の哲学』(名古屋大学出版)
戸田山和久『科学哲学の冒険』(NHKブックス)ほか、授業開始および授業中に指示す
る。
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●注意事項
なし。
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