2009年度 シラバス情報詳細

●科目区分
理系基礎科目(理系)

●科目名
複素関数論
●主担当教員名
洞 彰人

●単位数
2単位

●開講時期
V 期
木・3
●対象学部
理学部
06080001X〜
06080140X



●本授業の目的およびねらい
 複素関数は、自然科学の様々な箇所に現れ、基本的役割を果たすと共に幅広い応用を 

持っている。特に、その微分積分学は、実数のそれと全く異なった美しく統一的な世界 

を形作っている。本科目はこうした複素関数の微分積分学の基礎、特に複素解析関数の 

基本的性質を学び、応用上重要な、その様々な取り扱いに習熟することを目的とする。 

特に、ベキ級数および複素積分の取り扱いを重視する。               

                                        

                                        


●履修条件あるいは関連する科目等
微分積分学I、微分積分学IIの内容を既知とする。                

                                        

                                        


●授業内容
以下の授業内容は標準的に教えられるものであり、講義の順序を示すものではない。  

また、クラスによっては、さらに進んだ内容が教えられる場合もある。        

                                        

1 複素数平面:複素数の幾何学的表示を理解し、基本的な演算に習熟する。     

(キーワード)絶対値、偏角と主値、オイラーの公式、1のn乗根          

2 複素関数の正則性:正則性の定義とコーシー・リーマンの定理を学ぶ。      

(キーワード)コーシー・リーマンの定理                     

3 初等関数と逆関数:指数関数などの初等関数の正則性や基本性質を学び、逆関数  

 の正則性、多価性について理解する。                      

(キーワード)初等関数、逆関数の正則性、多価性と分枝              

4 複素線積分とコーシーの積分定理:複素線積分を学び、コーシーの積分定理をグ  

 リーンの定理を用いて理解する。さらに、定理の応用を学ぶ。           

(キーワード)複素線積分、コーシーの定理、コーシーの積分定理、実積分への応用  

5 ベキ級数展開:ベキ級数の正則性と、正則関数のベキ級数展開と解析接続を学ぶ。 

(キーワード)ベキ級数の収束半径、正則関数のベキ級数展開、零点の位数      

6 留数定理とその応用:孤立特異点における留数と、複素線積分の計算の代数化や  

 実積分への応用を学ぶ。また、孤立特異点にのまわりにおけるローラン展開と特異  

 点の分類にも触れる。                             

(キーワード)孤立特異点、ローラン展開、留数定理と応用             

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        


●成績評価の方法
主として筆記試験(中間・期末)の成績による。レポートの成績も加味する。     

                                        

                                        



●教科書
楠 幸男、現代の古典 複素解析、現代数学社                   

                                        

                                        


●参考書
楠 幸男、解析函数論、廣川書店                         

神保道夫、複素関数入門、岩波書店                        

高木貞治、解析概論、岩波書店                          

L.V.アールフォルス(笠原乾吉訳)、複素解析、現代数学社           


●注意事項
教科書欄に挙げた本をおおよその道しるべとして授業を進めるが、複素関数論の標準的な

本                                       

は数多くあるので、自分の気に入った詳しさ・スタイルのものをしっかりと読むのもよい

。                                       



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