●本授業の目的およびねらい
ここでは「母語以外の言語」という意味で、便宜上「外国語」扱いをしている、と理解し
ていただきたい。
日本は単民族国家だ、とか、日本には日本語しかない、といった観念を捨てること、いろ
いろな言語に触れることが授業の目的である。日本にも日本語以外の言語があることを再
認識する。
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●履修条件あるいは関連する科目等
もっぱら口頭練習をするので、毎回授業に参加できることが履修の条件となる。
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●授業内容
01.今、アイヌ語を日常語として使用している人はいない。アイヌ語を話せる人はいる
が、彼らも日常においてアイヌ語を使ってはいない。これは社会的な問題も原因して
いる。従って、アイヌ語は消え行く運命にあるのかもしれない。しかし、私はこの言
語を滅亡させたくはない。それが避けられないならばせめて消滅の時期を遅らせた
い。この授業はそういう気持を込めて開講されている。
02.アイヌ語は構造的に日本語と似ている面がある。一方朝鮮・韓国語に似ている面も
ある。そういう意味で言語学的には非常に面白い言語である。また、書き言葉を持た
なかったアイヌ語から学ぶべき点も多々ある。
03.この授業ではアイヌ語会話入門とでも言うべき授業をしたい。しかし、担当者(小
坂)自身、アイヌ語の専門家ではないので、むしろ受講者の方々と共に勉強したいと
思っている。
04.アイヌ語会話と言っても、会話の機会・相手を見つけることは至難の技であるか
ら、アイヌ語を学んでも、言語学を専門とする人以外、実用にはならないだろう。
しかし、実用を目的としない言語学習や「外国語」以外の未知言語の学習もあって
いいのではないだろうか。
05.授業ではアイヌ語を概観しながら、もっぱら口頭練習をする。
06.授業での積極性、授業への貢献度、学習成果により成績評価する。
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●成績評価の方法
授業に対する平常の貢献度(30%)、授業中の積極性(40%)、普段の口頭表現ので
きばえ(30%)。だだ参加するだけでは良い評価は得られない。
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●教科書
『CDエクスプレス アイヌ語』(白水社)及びプリント教材
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●参考書
田村すず子:沙流方言アイヌ語辞典(草風館)
中川 裕:千歳方言アイヌ語辞典(草風館)
萱野 茂:萱野茂のアイヌ語辞典(三省堂)(いずれも高価。授業のためには不要)
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●注意事項
授業に来たり来なかったりする人、ただ出席して聞いているだけの人は絶対にお断り
します。
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