●授業内容
ノーム、チョムスキー「心理主義と行動」を読み、科学的な論文の読解訓練を行ない、論
理的な英文のカギとなるパラグラフの構造に着目し、目的に応じて必要な情報をいかに読
みとる訓練を行い、同時に言語学を経験科学の一つとするための企てについて学ぶ。究極
的には生物学の一部として言語学を携えるにはどうしたらよいかについて考える。授業で
は、毎回参加者全員が当該箇所を英語の語法文法に注意を払いつつ、家で精読してきてい
ることを前提として進め、受講者を任意に指名し、当該箇所を易しい、わかりやすい日本
語に直してもらう。教師からは、毎回、細部に渡る英語の発音指導並びに英語の語法文法
に関する詳しい解説がなされる。更に、教師から、論理的な英文のカギとなるパラグラフ
の構造に着目し、目的に応じて必要な情報をいかに読みとるか、また逆に、自分の考えを
その根拠とともにいかに説得力ある論理的な英文に組み立てるかをパラグラフの構成に注
意しながら学ぶ。将来、専門の論文を英語で読んだり書いたりする時に、指針となる英文
構成法の基礎、および実際に役立つ英語表現を多く習得する。また、常識的には、文科系
の学問である言語学を、どのように考えることよって理科系の学問として位置づけること
が可能になるかについて、詳しい解説が与えられることになる。チョムスキー言語学の技
術的側面に焦点をあてるのではなくて、その哲学的側面に光をあてた授業となる。チョム
スキーの政治的立場については一切この授業では考えない。
|