●本授業の目的およびねらい
本授業科目は,自然科学系分野の諸現象について,それらの諸現象を学際的,総合的に分析,把握する能力を育むとともに,他の学問分野との関連性について理解することが目的である。 分子や物質の性質を決めるのは量子力学の法則にしたがう電子の運動であり,計算機シミュレーションによって電子の運動の基本方程式を解けば,物質の性質を知ることができる。本講義では,サブラボで実際に量子化学計算・分子シミュレーションを行い,量子化学や計算化学の考え方を直感的に理解し,物質の現象を学際的に把握する力を養う。
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●履修条件あるいは関連する科目等
高校「化学」程度を履修していることが望ましいが必須ではない。演習中心の授業のため,受講者数を28名(サブラボBの収容人数)に制限する。
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●授業内容
以下の内容について情報学部の3名の教員(古賀伸明・長岡正隆・井内哲)が分担する。 §1.およその理解!…計算実習を通じて分子・物質とは何かを理解する。 1.電子は粒子?それとも波? 2.分子を支配する風変わりな波(分子軌道) 3.分子軌道から求められるもの 4.分子の構造を決めるものは? 5.分子・物質の性質を決めるものは? 6.分子の色を決めるものは? 7.化学反応を予測する! 8.分子は動く!1ー分子の位置エネルギーと分子力場ー 9.分子は動く!2ー分子シミュレーションー 10.分子は集まって働く! 11.おわりに §2.そして実践! 分子の大きさに制限はあるが,興味のある分子や物質について実際に計算を行いその分子についての理解を深める。受講者の希望によって,スマホやタブレットを用いたヴィジュアル化を通して,より直観的な理解を深める。
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●成績評価の方法
成績は出席・計算実習や演習のレポートから総合的に判断する。履修取り下げ制度を採用する。
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●教科書
プリントを配布する。
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●参考書
平山令明著、『はじめての量子化学—量子力学が解き明かす化学の仕組み』(ブルーバックス B-2090)(講談社)
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●注意事項
計算実習や演習のレポートを課す。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
The properties of molecules are determined by the energy and distribution of the electrons in the molecules. Because electrons are in motion according to the laws of quantum mechanics, the properties of molecules can be clarified by solving the fundamental equations of quantum mechanics. In this lecture, we will perform computer simulations (quantum chemical calculations and molecular simulations), to develop the ability to intuitively understand the concepts of quantum chemistry and computational chemistry.
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