学部・大学院区分学部
時間割コード0025245
科目区分理系教養科目
科目名 【日本語】エレクトロニクスと物性科学
科目名 【英語】Electronics and Materials Science
主担当教員 【日本語】堀 勝
主担当教員 【英語】HORI Masaru
単位数2
開講期・開講時間帯Ⅱ 金曜日 2時限


本授業の目的およびねらい
本授業科目は,自然科学系分野の諸現象について,それらの諸現象を学際的,総合的に分析,把握する能力を育むとともに,他の学問分野との関連性について理解することが目的である。
本授業では、現在の最先端エレクトロニクスを支えている基本的なデバイスや集積回路について、物性科学の視点から概説し、さらにナノテクノロジによってそれがどのように変わるのか、研究の最前線での取り組みについても触れる。
授業の構成
授業は、物性や機能の発現の根源を成す、バンド理論をやさしく説明しながら、次の内容を織り込んで行う。また、最先端のエレクトロニクスで繰り広げられているモノづくりの現場や社会の動向についても触れる。
1.エレクトロニクスの歴史
 1-1 トランジスタや集積回路の発明
 1-2 携帯電話を動かしているチップの謎を解く
 1-3 未来のエネルギーや生命科学を開くエレクトロニクス
2.現在のエレクトロニクスを支える物性科学
 2-1 物性発現の根源を学ぶ
 2-2 物質やその機能を決定する要因を理解する
 2-3 物質の性質をデザインして、エレクトロニクスを発現させる方法を身に着ける
3.ナノテクノロジで変わる未来
 3-1 超微細加工技術が拓く次世代のモノづくり
 3-2 最先端計測技術~原子・分子を見て、その挙動を測る技術~
 3-3 太陽電池や次世代バイオエレクトロニクス
4.物性科学を社会実装やビジネスに繋げるためのアプローチ
5.人類の永続的な発展とエレクトロニクス
履修条件・関連する科目
高校時に学習した物理および化学の知識を必要とする。
成績評価の方法と基準
授業への出席とレポート試験で判定する。成績評価基準は、『全学教育科目の履修の手引き』を参照。履修取り下げにあたり、履修取り下げ届を必要としない。
教科書・テキスト
授業で資料を配布する。
参考書
授業中に紹介する。
注意事項
講義の後に、適宜、主体的な学習を促進するための課題や準備、講義の感想などを整理する時間を担保する。
本授業に関する参照Webページ
担当教員からのメッセージ
The purpose of this course is to cultivate the ability to analyze and comprehend various phenomena in the field of natural sciences interdisciplinary and comprehensively, and to understand their relevance to other disciplines.
20世紀後半はエレクトロニクスの時代であった。その進歩によって人類は多くの利便性を手に入れた。しかしその進歩は同時に環境問題も引き起こしている。21世紀には時代合った新しいエレクトロニクスを構築しなければならない。現在の最前線の研究者が何を求めているのかを知ることによって、将来の高度な研究者、技術者としての素養を養って欲しい。
また、担当者としては、エレクトロニクスと物性科学を体系的に理解できるように講義を進めることによって、将来の最先端ナノエレクトロニクス、バイオ・医療エレクトロニクス、ナノ・マイクロマシンから宇宙衛星搭載エレクトロニクスまでを有機的に見渡すことができる力を身につけ、人類の永続的な発展に如何に寄与するかという情熱を持っていただけるように努力したい。
なお、現在は実際のものに触れる機会が極端に少なくなっている。講義では、写真の紹介や実際にものを目にしたりするといったことも取り入れたい。