学部・大学院区分学部
時間割コード0025139
科目区分理系基礎科目
科目名 【日本語】化学基礎Ⅱ
科目名 【英語】Fundamentals of Chemistry II
主担当教員 【日本語】松宮 弘明
主担当教員 【英語】MATSUMIYA Hiroaki
単位数2
開講期・開講時間帯Ⅱ 金曜日 1時限


本授業の目的およびねらい
 本授業科目は、自然科学系分野の学問体系を認識するとともに、自主的判断能力を培うことが目的である。
 「化学基礎Ⅰ」では物質の構造論を学び、原子や分子の成り立ちを微視的観点から理解した。一方、微視的観点だけでは物質の本質は理解できない。この「化学基礎Ⅱ」では視点を変え、巨視的観点から物質の変化を学び、物質に対する理解を深める。即ち、物質を極めて多数の原子や分子の集合体として考え、物質が固体、液体、気体と変化したり、ある物質が化学反応によって別な物質に変化する現象を、如何にして理解し、更には制御するか、熱力学を切り口にして基礎を学んでいく。
授業の構成
1.熱力学第一法則(内部エネルギー、仕事、熱、エンタルピー、熱容量)
 いわゆるエネルギー保存の法則である。自然現象におけるエネルギーはポテンシャルエネルギーや運動エネルギーなど姿形は変われども、その総和は一定に保たれる。

2.熱力学第二法則(エントロピー、自由エネルギー)
 第一法則でエネルギーの総和は変わらないと規定されるが、その枠内であっても変化は自在に進むわけではない。その変化が自然に進むべきものなのか否か、別な法則で規定される。それが熱力学の第二法則である。

3.相変化、相平衡(化学ポテンシャル、状態図)
 いわゆる物質の三態の変化である。熱力学の第一法則、第二法則から自由エネルギーという概念が登場するが、更に化学ポテンシャルに発展させ、これを基にして物質の三態の変化を理解する。

4.化学平衡(化学ポテンシャル、平衡定数)
 化学ポテンシャルは物質の三態の変化のみならず、別な物質に変化する化学反応の理解にも有用である。反応が進む方向、また、反応物と生成物の最終的な比率を予測し、更には制御するにはどうすればよいか学ぶ。

5.溶液の性質(ラウールの法則、理想溶液と実存溶液)
 物質が液体に溶解すると溶液になり、純粋な液体とは性質が変わってくる。純物質と混合物が示す挙動の違いについて、基礎的事項を学ぶ。

※講義の進行に応じて(講義毎の可能性もある)小テストやレポート課題を課すので、指定される期限までに取り組み提出すること。

※COVID-19に係る授業実施方針については本科目のNUCTを参照すること。
履修条件・関連する科目
高校の化学、物理、数学の知識を前提とし、Ⅰ期に開講された「化学基礎Ⅰ」と一対になっている。
成績評価の方法と基準
授業内容について6割の理解(100点満点で60点以上に相当)を単位認定の最低要件とし、レポートおよび試験で判定する。試験には小テスト(講義の進行に応じて実施、講義毎の可能性もある)と期末試験が含まれるが、COVID-19拡大防止のため期末試験を実施しないことになった場合には、試験は小テストのみになる。履修取下げ制度は採用せず、小テストとレポートについて最終およびその一つ前が続けて未提出(または期末試験を未受験)の場合に評価を「W」にする。
教科書・テキスト
「化学基礎Ⅰ」の教科書を引き続き使用する。
野村浩康、川泉文男 共編
「理工系学生のための化学基礎」(学術図書出版社)
参考書
アトキンス(著者名)をはじめとする物理化学の教科書(訳本もあり)が数多く出版されている。読み応え十分であり、より深い理解が得られるでしょう。図書館にも置いてあるので、ご参考ください。
注意事項
「化学基礎Ⅰ」と合わせて、化学の各分野に共通する理論の基礎を学んでいきます。高校までの暗記科目の雰囲気とは異なるので、意識を切り替えて取り組みましょう。
本授業に関する参照Webページ
担当教員からのメッセージ
Combining the knowledge of chemical structure and chemical bonding with thermodynamics, students will develop an understanding of the macroscopic properties of assembled atoms and molecules, gaining the ability to explain and predict the physical/chemical changes of substances based on thermodynamics.