学部・大学院区分学部
時間割コード0024369
科目区分理系基礎科目
科目名 【日本語】微分積分学Ⅱ
科目名 【英語】Calculus II
主担当教員 【日本語】山上 滋
主担当教員 【英語】YAMAGAMI Shigeru
単位数2
開講期・開講時間帯Ⅱ 木曜日 3時限


本授業の目的およびねらい
定量的変化を記述・分析する数学の分野が解析学であり,その中心的方法は微分・積分である.これらの方法は自然科学において必須の研究手法であるが,近年はさらに社会科学などにも広く応用されている.本科目は通年講義の後半として,多変数微分積分学の基本を理解し,様々の計算に習熟して応用できるようになることを目的とする.特に多変数関数のグラフなどを通して幾何学(空間)的イメージ,線形代数と結び付いた理解を重視する.
授業の構成
以下の授業内容は標準的に教えられるものであり,講義の順序を示すものではない.また,クラスによっては,さらに進んだ内容が教えられる場合もある.実際の講義予定は別に提示する.

1.多変数関数の極限と連続性
多変数関数(特に2変数関数)の極限に関する基本的事項と連続関数の基本性質を学ぶ.
(キーワード)ユークリッド距離,点列の極限,多変数関数の極限と連続性
(発展的内容)近傍,開集合,閉集合,連続関数の性質

2.多変数関数の微分法
多変数関数(特に2変数関数)について微分法の基礎を理解する.さらにそれを用いて,平面上の関数の様々な性質について調べられるようにし,極値問題などへの応用を学ぶ.
(キーワード)偏微分と方向微分,合成関数の偏微分,テイラーの定理,高階偏導関数,極値問題
(発展的内容)全微分,接平面の方程式,座標変換,勾配ベクトル,二次形式としてのヘシアン,陰関数定理,ラグランジュの未定乗数法,多変数関数

3.多変数関数の積分法
重積分の意味を理解し,累次積分による積分計算に習熟する.さらに,極座標変換などの例を通して,変数変換とその重積分への応用を学ぶ.
(キーワード)重積分,累次積分,変数変換,ヤコビアン
(発展的内容)積分順序交換,曲面積と体積,(多変数)広義積分,線積分,グリーンの定理
履修条件・関連する科目
高校数学,微分積分学Iの内容を既知とする.微分積分学Iとあわせて完結した講義となる.
成績評価の方法と基準
中テスト3回(各20%)+期末テスト(40%)の合計点で評価する。 受けた試験の配点の合計が総配点の6割に達しない場合は欠席の扱いとする。
教科書・テキスト
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~yamagami/teaching/calculus/cal2019.pdf
参考書
(1)磯崎・他5名「微積分学入門ー例題を通して学ぶ解析学ー」(培風館)
(2)南 和彦「微分積分講義」(裳華房)
注意事項
自宅での予習・復習・演習が不可欠である。これは天の声である。
こちらからは、1時間の授業に対して、2時間の自主学習が想定されているということを指摘しておく。
本授業に関する参照Webページ
http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~yamagami/teaching/teaching.html
担当教員からのメッセージ
The goal of this course is to understand the basics of analysis of functions in several variables. In particular, students learn the geometrical intuition of the graphs of functions in several variables in veiw of linear algebra.

大切なことは、目には見えぬという。
うわべの分りやすさに流されぬよう、
目を閉じておもってみる。
古人の跡を求めず、
古人の求めしところを求めん。