学部・大学院区分学部
時間割コード0024116
科目区分理系教養科目
科目名 【日本語】物質と科学
科目名 【英語】Science of Materials
主担当教員 【日本語】寺﨑 一郎
主担当教員 【英語】TERASAKI Ichiro
単位数2
開講期・開講時間帯Ⅱ 木曜日 1時限


本授業の目的およびねらい
本授業科目は,自然科学系分野の諸現象について,それらの諸現象を学際的,総合的に分析,把握する能力を育むとともに,他の学問分野との関連性について理解することが目的である。
本講義では、自然科学と物質の関わりを、20世紀以前と以後にわけて基礎物理学の視点で解説する。本講義の目標は、科学の理論は人間の脳内で勝手に構築されたものではなく、時代ごとの技術発展や物質開発と深く関わっていることを理解することである。
授業の構成
古典物理学を切り拓いた物質 担当:寺崎一郎

有史以来、人類は物質とともに暮らしてきた。とりわけ、いくつかの物質は自然科学を生み出すために決定的な役割を演じてきた。本講義の前半は下記に示す主題で物質と人類の関わりを解説し、そこからどのような科学が生み出されたかを物理学の視点で述べる。
1.永久磁石と琥珀(磁気と電気) 
2.ボルタの電池(電流と電磁気学) 
3.光学ガラス(分光学)
4.水素原子(量子力学の曙)

現代物理学を切り拓いた物質 担当:小林義明

量子力学の発見以降、様々な新物質が発見され、我々の自然観は大きく変革された。なかでも超伝導は物質が示す最も劇的な現象であり、超伝導を中心に20世紀以降の物質と科学の関わりを解説する。
1.ヘリウムの液化と水銀の超伝導
2.ニオブ化合物と超伝導マグネット
3.銅酸化物と鉄系超伝導体
4.室温超伝導の予兆
履修条件・関連する科目
なし
成績評価の方法と基準
履修取り下げ制度を採用する。成績は出席・授業への参加・レポートを考慮し評価する。履修取り下げを行う場合には履修取り下げ届を期日までに提出すること。履修取り下げの場合は「W(欠席)」とし、出席して規定の点数に達しなければ「F(不可)」とする。
教科書・テキスト
なし。
参考書
講義の際に都度紹介する。代表的なものは担当者からの言葉(WEBページ)を参照。
注意事項
本講義は寺崎と小林の2名の教員による。各講義ごとに参考資料を示すので、個々の興味に応じて自宅でのより深い学習を行うことを推奨する。
本授業に関する参照Webページ
担当教員からのメッセージ
This course provides a relationship of materials to natural science on the basis of fundamental physics. The former half of the course will cover a historical review up to 19th century, and the latter half will cover from 20th century to the present by mainly focusing on science of superconductors.


人類が発見した物質がどのように新しい科学を切り拓いたかを学びたいという意欲溢れる学生の受講を待っています。

いくつかの参考書を示しておきます。
(前半)マーカス・チャウン「僕らは星のかけら」(ソフトバンク文庫)、藤宗寛治「電気に架けた生涯」(ちくま学芸文庫)、サイモン・シン「宇宙創成」(新潮文庫)
(後半)森弘之「2つの粒子で世界がわかる : 量子力学から見た物質と力」(講談社ブルーバックス)、下山淳一「トコトンやさしい超伝導の本」(日刊工業新聞社)、大塚泰一郎「超伝導の世界」(講談社ブルーバックス)