学部・大学院区分学部
時間割コード0023102
科目区分理系基礎科目
科目名 【日本語】生物学基礎Ⅱ
科目名 【英語】Fundamentals of Biology II
主担当教員 【日本語】森 仁志
主担当教員 【英語】MORI Hitoshi
単位数2
開講期・開講時間帯Ⅱ 水曜日 1時限


本授業の目的およびねらい
本授業科目は,自然科学系分野の学問体系を認識するとともに,自主的判断能力を培うことが目的である。
生物体内の核酸,遺伝子に関する現象について,生化学的,分子生物学的観点から内容を把握し理解する能力を育むことが目的である.このことによって生物を理解すると共に,社会に応用されているバイオテクノロジー分野との関連性について理解することが目標である.
授業の構成
01.・・・・・・核酸に関する生化学的特徴・性質
02.・・・・・・核酸に関する生化学的特徴・性質, DNAシークエンス等
03.・・・・・・複製に関するタンパク質(DNA ポリメラーゼ等)の特性
04.・・・・・・複製の分子機構
05.・・・・・・DNA修復の分子機構(ミスマッチ修復系, 塩基除去修復)
06.・・・・・・DNA修復の分子機構(ヌクレオチド除去修復,直接修復)
07.・・・・・・転写の分子機構(RNA ポリメラーゼの特性、転写開始点)
08.・・・・・・転写の分子機構(開始、伸長、終結)
09.・・・・・・原核生物の転写調節機構(lacオペロン、リプレサー)
10.・・・・・・翻訳の分子機構 (mRNA配列における遺伝暗号の解読)
11.・・・・・・翻訳の分子機構 (遺伝暗号を変える遺伝子の変異 )
12.・・・・・・翻訳の分子機構 (アミノアシルtRNAの合成)
13.・・・・・・翻訳の分子機構 (翻訳装置リボソームの構造と機能)
14.・・・・・・翻訳の分子機構 (翻訳開始、伸長段階、終結の機構)
15.・・・・・・翻訳の分子機構 (タンパク質の翻訳後修飾と輸送 )

各項目に関する基礎知識を普遍的・教科書的レベルに体系化して講義する.基本的に対象となる生物は原核生物であるが,対比として真核生物を対象にすることもある.また,DNAシークエンスやPCR法など新しい技術について講義することもある.毎回講義の時にプリントを配布する.
履修条件・関連する科目
生物化学1
成績評価の方法と基準
・中間&学期末試験(99%),レポート(1%)・出席は基本なので成績に加味しない. ・出席率にかかわらず,成績の評価は試験の成績による. ・履修取り下げは認めない. ・両試験を受験しないものは欠席Fとする.
教科書・テキスト
「レーニンジャーの新生化学・第7版」上・下(廣川書店)翻訳版
 項目01-03 上巻,項目03-15 下巻
参考書
Lehniger Principles of Biochemistry seventh Edition (w.h freeman Macmillan Learning) 原本,細胞の分子生物学・第5版(ニュートンプレス),ワトソン遺伝子の分子生物学・第7版(東京電機大学出版局),エッセンシャル遺伝子(東京化学同人)
注意事項
この講義は農学部専門科目と同等の位置づけであり,専門的な内容を取り扱う.単位認定は厳しい基準で行うので、真摯に講義に取り組むこと.農学部応用生命科学科の学生は本講義の単位取得が必須であり、他学部・他学科向けの「生物学基礎II」の単位は卒業単位として認めない.予習は望ましいが内容を理解するためには復習する方が重要である.
本授業に関する参照Webページ
担当教員からのメッセージ
Study of basic molecular biology of prokaryote especially

 以前は2年次秋学期に開講されていたが,2017年度からカリキュラム変更のため,1年次開講になった.関連科目は生物化学1しかない.入学試験に生物学を選択しなかった学生の成績は,一般的によくない.生物体内の現象が化学反応によって行われている(生物化学)ことを理解していない場合は,この講義の内容を理解することは難しい.そもそも2年次秋学期に開講していた講義を,1年次の秋学期に変更したカリキュラム変更自体が適切ではなかったとクレームを出しているが,取りあげられる気配はない.

 講義全範囲の定期試験1回では成績が悪いため,2018年度から定期試験を中間試験(10,11月講義の内容)と期末試験(12,1月講義の内容)に分けた.1年次に単位を修得できなかった場合は,2年次の同じ時間に必修科目の開講と重なるため,3年次に再履修することになる.再履修の3年生の中には講義の内容を理解する学生が多い.全学教育科目として開講されるが,農学部専門科目と同等の位置づけであり,専門的な内容を取り扱う.単位認定は厳しい基準で行うので,真摯に講義に取り組むこと.出席していれば単位が取れる全学教育科目とは明らかに異なる.

 毎回講義の時に講義内容の質問を記述するために質問票を配布している.この質問票の提出を出席の確認にしているわけではない.次の講義の時にその質問を取りあげ,解説する.学生が講義の内容を把握しているかを確認するためでも重要である.