学部・大学院区分学部
時間割コード0022201
科目区分文系基礎科目
科目名 【日本語】歴史学
科目名 【英語】History
主担当教員 【日本語】池内 敏
主担当教員 【英語】IKEUCHI Satoshi
単位数2
開講期・開講時間帯Ⅱ 火曜日 2時限


本授業の目的およびねらい
本授業科目は,人文・社会科学系分野の学問体系を認識するとともに,自主的判断能力を培うことが目的である。
本授業では、歴史学的なものの見方とはどういうものか、歴史学的な分析とはどういうものなのか、を体験していただく。したがって歴史的な名辞を覚えることに意味を見いだしてはいないし、既に持っている歴史的な知識量を問題にしたりはしない。本授業で扱う歴史的事象は極めて限定的なものだが、限定的な素材を対象にしてものごとを深く剔って歴史学的に理解するということを身につけていただこうと思う。
授業の構成
現在、日韓間には様々な懸案が山積しているが、そうしたものの一つに竹島問題がある。本授業は、その3分の2を竹島問題の分析にあて、残る3分の1を江戸時代から近代に到る日韓交流史の分析に宛てたい。本授業は、まずは歴史学の分析によって竹島問題がどのように明らかになるのかという作業を介して、歴史学の方法について体得していただこうと思う。ついで素材を竹島問題から外側に広げ、素材を限定しつつも日韓交流史研究の現状について理解を深めていただくこととする。

(1)于山島は独島と一致するか(韓国側主張の検証①)
(2)17世紀に日本の竹島に対する領有権は確立したか(日本側主張の検証①)
(3)元禄竹島一件①(日本と韓国の解釈はなぜ正反対なのか)
(4)元禄竹島一件②(安龍福英雄論の起源)
(5)空白の400年(日本政府が黙殺する論点)
(6)古地図にみる竹島(日本側主張の検証②)
(7)近代地図にみる竹島(海図には領土は描かれないか)
(8)竹島の日本領編入と韓国側主張の検証②
(9)サンフランシスコ講和条約と政府見解の応酬
(10)竹島は「わが国固有の領土である」の意味
(11)江戸時代の日韓交流史①(朝鮮通信使)
(12)江戸時代の日韓交流史②(漂流民)
(13)日韓相互認識史の一断面①(「鮮人」ということば)
(14)日韓相互認識史の一断面②(「朝鮮通」について)
(15)総括的な考察
履修条件・関連する科目
とくになし。ただし、高校卒業程度の漢文能力、現代国語の能力は必須。
成績評価の方法と基準
出席および質疑応答を含む授業への参加(50%)、筆記試験(50%)
教科書・テキスト
池内敏『竹島 もうひとつの日韓関係史』中公新書、2016年
参考書
池内敏『竹島問題とは何か』名古屋大学出版会、2012年
池内敏『日本人の朝鮮観はいかにして形成されたか』講談社、2017年
注意事項
とくになし。必要に応じて授業時に述べる。
本授業に関する参照Webページ
担当教員からのメッセージ
固定観念からの脱却というのを目標としたい。それは、アタマを柔らかくし、思考の幅を広げることにつながってゆくと思う。

In this class, we will give a lecture on what the historical perspective is and what a historical analysis is. In this lesson, I hope that students will learn to understand things historically by cutting things deeply.