学部・大学院区分学部
時間割コード0022141
科目区分文系基礎科目
科目名 【日本語】比較文化論
科目名 【英語】Comparative Studies of Cultures
主担当教員 【日本語】山本 直人
主担当教員 【英語】YAMAMOTO Naoto
単位数2
開講期・開講時間帯Ⅱ 火曜日 1時限


本授業の目的およびねらい
 本授業科目は,人文・社会科学系分野の学問体系を認識するとともに,自主的判断能力を培うことが目的である。もう一つの目的は学術的知識の探求の過程と考古学の面白さを体験することである。
 
 授業のねらいは二つあり、第一は日本列島における縄文時代の多様な諸文化を理解できるようになることである。第二は多様な諸文化を比較することによって総体としての縄文文化を理解できるようになることである。
授業の構成
 日本の歴史において、縄文時代は今から15,500年前から2,500年前までの13,000年間続いた時代として位置づけられており、土器編年研究から草創期・早期・前期・中期・後期・晩期の6期に区分されている。この時代の文化である縄文文化は狩猟・採集・漁労民の文化で、文字や文献がまだ存在しない先史時代の文化になる。
 地質学的には縄文時代は日本列島の自然環境が大きく変化した時代で、草創期は最終氷期の終わり頃にあたり、早期以降は最終氷期が終わった後の後氷期にあたる。自然環境が安定した前期~晩期では、日本列島の多様な自然環境に適応して列島各地で多様な地域文化が形成されていった。
 最初に、時間尺度となる年代と大きく変化した自然環境について説明する。次に文化史的な時期区分について述べ、前期~晩期に列島各地で華開いた地域文化を個別に説明していく。最後に、縄文時代の諸文化を比較しながら総体としての縄文文化についてまとめる。
 参考書に示した『文理融合の考古学』や『縄文時代の生業と社会』、『縄文時代地域社会の実態』を読んで予習をしておくことが望ましい。
 NUCTを使い、いつでも繰り返し見ることができるようにパワーポイントのPDFをリソースにアップロードして講義を進めていく。

第1回:ガイダンスおよび縄文文化の概要
第2・3回:年代論(1)(2)
第4・5回:自然環境(1)(2)
第6回:草創期の文化
第7回:早期の文化
第8回:中間まとめと評価
第9・10回:前期~晩期の地域文化(1)(2)北陸
第11回:前期~晩期の地域文化(3)東海
第12回:前期~晩期の地域文化(4)甲信・西関東
第13回:前期~晩期の地域文化(5)東北北部
第14回:前期~晩期の地域文化(6)北海道
第15回:総括
履修条件・関連する科目
履修条件は要さない。
関連する科目として、文系基礎科目の歴史学や比較文化論を受講することが望ましい。
成績評価の方法と基準
中間まとめのレポート(50%)、期末レポート(50%)。
NUCTを使ってレポートの課題を提示するとともに、レポートを受け取る。
履修取下げの際は届を提出する。
提出がなく、レポート未提出の場合、評価は「F」とする。
教科書・テキスト
直接教材として、NUCTのリソースで講義資料を配付する。
参考書
佐々木高明、『日本の歴史① 日本史誕生』、集英社、1991年。
山本直人、『文理融合の考古学』、高志書院、2007年。
山本直人、『縄文時代の生業と社会』、同成社、2013年。
山本直人、『縄文時代地域社会の実態』、同成社、2020年。
注意事項
遺跡や遺物について具体的なイメージが描けるように博物館を見学し、予習をしておくこと。ただし、博物館が開館している場合に限る。また、見学に際しては新型コロナウィルスの感染にも気をつけること。
講義内容について受講後にノート等で自分なりに整理しておくこと。
本授業に関する参照Webページ
担当教員からのメッセージ
There are two aims of this course: The first is to understand Jomon cultures and societies from a historical point; The second is to understand the present situation and the problems in Jomon study, and to get the ability to solve them.