学部・大学院区分学部
時間割コード0021536
科目区分基礎セミナー
科目名 【日本語】基礎セミナーB
科目名 【英語】First Year Seminar B
主担当教員 【日本語】宮田 卓樹
主担当教員 【英語】MIYATA Takaki
単位数2
開講期・開講時間帯Ⅱ 月曜日 5時限


本授業の目的およびねらい
本授業科目は,初年次生を大学教育へ導入し,自立した学習能力を身につけるとともに,文・理に共通した基礎的学力や技能を養うために,多面的な知的トレーニングによって,コモンベーシックとしての読み,書き,話す能力のかん養を図るとともに,真理探究の方法と面白さを学ぶことが目的である。
セミナーのテーマ:細胞を観る,記載する,そして伝える.コオロギ,マウス組織など生きた対象に向き合い,体験や観察の結果を記載し,他者に伝え,かつ聴衆として発表者に対して質問し,「個による観察」に始まった理解の「共有」を通じた深めを体得する.
授業の構成
第一部 「コオロギ」
第1回(1)各自がこれまでの「生き物受け持ち」(飼育・観察)体験の披露(40〜50分程度).(2)エンマコオロギの受け持ち(集団飼い用の大きい箱から,自分で取り出し,個別の持ち帰り用の透明ケースに移し,手提げ袋に納めて連れ帰る.きちんと世話・観察をするよう指示.脳神経運動系,循環系,呼吸系,消化系,泌尿生殖系の5チームに分かれ,全般的な観察に加えて,チームごとの視点での観察,調査など.第2回までに「受け持ち」レポートを提出するように求める.第2回(1)各自の飼育・観察のようすを報告,質疑応答.「質問(ツッコミ)」行為のネタとして「生き物の受け持ち」があることを述べ,積極的な応酬を促す.(2)「解剖」の準備(15〜20分程度)①第3回から解剖をする現場に連れて行き,顕微鏡,道具,後片付け法などの説明,②チームごとに解剖対象器官のありようを必ず調べてくるように指示.第3~5回 チームごとに顕微鏡下に解剖.スケッチ,スマホ,メモなど,記録・記載を行う.第6回 データ整理,発表のための準備.まだコオロギが生きていれば追加解剖も可.第7回 発表会(チームあたり,発表8〜10分+質疑5〜7分,合計15分,最後に総合討論)
第2部 「マウス胎仔から採取した器官・組織片の培養」
第8回 (1)ホルマリン固定したマウス胎仔を各チームに2匹程度ずつ与え,それぞれが対象とする「脳」「心臓」「肺」「消化器」「泌尿生殖器」を探し当てる(顕微鏡下の解剖)(2)当日午前にあらかじめ用意しておいた「培養皿上に器官の原基あるいは組織片を埋め込むように固めたゲル(果実片入り寒天水菓子風)」をグループごとに受け持たせ,スケッチやスマホ写真などを通じた記録(初期状態の)を指示.第9回 受け持ち器官・組織片の「変化」の観察,記録.本来の(生体内での)器官成長のようすとの類似性,相違点を考察.第10回 同上,および発表会の準備.第11回 発表会(各チーム 発表8〜10分+質疑5〜7分,合計15分,最後に総合討論) 1月中旬を締め切りとして,「コオロギ,マウス組織培養の両方についての個人レポート」提出(メール).
履修条件・関連する科目
履修条件は要さない.
成績評価の方法と基準
積極性(50%:質問を高評価),観察・発表の内容(50%:チーム取組みと個人レポートを総合評価).学期途中で履修の意思がなくなった場合,履修取り下げ届を提出する必要がある.提出がなく期末試験の欠席,レポートの未提出の場合,評価は「F」とする
教科書・テキスト
教科書はとくに指定しないが,毎回の授業で講義資料を配布する.
研究室内の各種書物を自由に参照してよい.
参考書
必要に応じて授業で随時示す.研究室内の各種書物を自由に参照してよい.
「名大の授業TOPICS No.10 基礎セミナー」http://ocw.nagoya-u.jp/index.php?lang=ja&mode=g&page_type=topics2017
注意事項
コオロギ期間,マウス期間ともに,①運動・脳・神経,②循環,③呼吸,④消化,⑤泌尿・生殖という5つのシステムを担当する5チームに分かれて受け持ち学習(解剖を含む)を行うので,それぞれのシステムの解剖学的情報をインターネットや研究室の図書等から得ておく必要がある.
本授業に関する参照Webページ
担当教員からのメッセージ
This course encourages each student to observe living objects (crickets and mouse tissues), to describe how the objects are, and to tell the observer’s findings to other students who are expected to ask as many questions as possible, together exemplifying a scientific way to deepen understanding of the objects and related issues based on their own experiences and mutual stimulations.
コオロギの飼育,麻酔,実体顕微鏡を用いての解剖,マウス胎仔の解剖,臓器採取,顕微鏡撮影,細胞培養,観察,などなど,体験・実習形式を重視します.皆さんの積極的な「ふしぎにおもうこころ」,「質問という行為」,を求めます.