学部・大学院区分学部
時間割コード0021315
科目区分理系基礎科目
科目名 【日本語】微分積分学Ⅱ
科目名 【英語】Calculus II
主担当教員 【日本語】山下 太郎
主担当教員 【英語】YAMASHITA Taro
単位数2
開講期・開講時間帯Ⅱ 月曜日 3時限


本授業の目的およびねらい
定量的変化を記述・分析する数学の分野が解析学であり、その中⼼的⽅法は微分・積分である。本授業科⽬は通年講義の後半として、多変数微分積分学の基本を理解し、様々の計算に習熟して応⽤できるようになることを⽬的とする。
多変数関数のグラフなどを通して幾何学(空間)的イメージ、線形代数と結び付いた理解ができ、多変数の微分・積分に関する計算をできることが本授業の目標である。
授業の構成
以下の授業内容は標準的に教えられるものであり、講義の順序を⽰すものではない。また、クラスによってはさらに進んだ内容が教えられる場合もある。実際の講義予定は別に提⽰する。
1.多変数関数の極限と連続性
多変数関数(特に2変数関数)の極限に関する基本的事項と連続関数の基本性質を学ぶ。
(キーワード)ユークリッド距離、点列の極限、多変数関数の極限と連続性
(発展的内容)近傍、開集合、閉集合、連続関数の性質
2.多変数関数の微分法
多変数関数(特に2変数関数)について微分法の基礎を理解する。さらにそれを⽤いて、平⾯上の関数の様々な性質について調べられるようにし、極値問題などへの応⽤を学ぶ。
(キーワード)偏微分と⽅向微分、合成関数の偏微分、テイラーの定理、⾼階偏導関数、極値問題
(発展的内容)全微分、接平⾯の⽅程式、座標変換、勾配ベクトル、⼆次形式としてのヘシアン、陰関数定理、ラグランジュの未定乗数法、多変数関数
3.多変数関数の積分法
重積分の意味を理解し、累次積分による積分計算に習熟する。さらに極座標変換などの例を通して、変数変換とその重積分への応⽤を学ぶ。
(キーワード)重積分、累次積分、変数変換、ヤコビアン
(発展的内容)積分順序交換、曲⾯積と体積、(多変数)広義積分、線積分、グリーンの定理
履修条件・関連する科目
⾼校数学及び微分積分学Iの内容を既知とする。微分積分学Iとあわせて完結した講義となる。
成績評価の方法と基準
筆記試験(期末)及び必要に応じてレポート課題を与え、それらの成績から総合的に評価する。また、履修取り下げ届が提出された場合は「⽋席」とする。
教科書・テキスト
Ⅰ期に指定されたもの
参考書
必要に応じて授業で示す。
注意事項
授業は講義と共にできる限り例題演習を織り込む。授業時間が限られているので、⾃宅での予習・復習・演習が不可⽋である。講義内容の順序は変更される場合がある。また、試験での不正⾏為は絶対に⾏わないこと。
本授業に関する参照Webページ
担当教員からのメッセージ
Calculus is a central technique in the mathematical analysis. Goals of this class are to understand the basics of the multivariable calculus and to master various calculations.
Objectives of this class are to understand the geometric images of the multivariable functions and the relation to the linear algebras, and to be able to do calculations regarding the multivariable calculus.

教える範囲が決まり難易度も整えられている⾼校までの数学と異なり、⼤学で学ぶ数学はより厳密で抽象的な理論になります。また将来必要となる⾼度な内容も含んでおり、初めは難しく感じたり⼾惑ったりするかもしれません。しかし難解なものや不明瞭なものにこそ勉強すべき題材が含まれているのです。その意味で、難しいからといって勉強を諦めるのではなく、考えて考えて考え抜くという態度を⾝につけ、是⾮数学の本当の⾯⽩さや⼤切さを⾒つけ出してください。