学部・大学院区分学部
時間割コード0021114
科目区分文系教養科目
科目名 【日本語】人間と行動
科目名 【英語】The Human Being and its Behavior
主担当教員 【日本語】田邊 宏樹
主担当教員 【英語】TANABE Hiroki
単位数2
開講期・開講時間帯Ⅱ 月曜日 1時限


本授業の目的およびねらい
本授業科目は,人文・社会科学系分野の諸現象について,それらの諸現象を学際的,総合的に分析,把握する能力を育むとともに,他の学問分野との関連性について理解することが目的である。
この授業では,ヒトのさまざまな認知や振る舞いとそこから推測されるこころの動きを科学的に研究する心理学をベースに,行動を生み出す脳に焦点を当て,その関係(神経基盤)について議論する。脳とこころの関係を通しこころとは何かを理解し,より深く人間とは何かについて考えられる素地を身につけることが本授業の目標である。
授業の構成
この授業では,脳・身体とこころの関係を中心に,ヒトの脳や身体の機能を計測する装置の原理や,実験心理学的なものの見方や考え方,そしてさまざまな認知や行動と脳の関係について学ぶ。

以下のような話題を取り上げる予定である。
1. こころを研究する −その歴史的背景−
2. ヒト脳の解剖学
3. こころと脳のモジュール性
4. 脳活動の生理的背景
5. 脳機能計測の原理
6. 知覚の神経機構
7. 言葉をめぐる神経機構
8. クロスモーダル知覚・知覚−運動協応と脳の可塑性
9. 記憶の神経機構
10. 社会性の発達とその神経機構
11. 脳活動から情報を引き出し行動と繋げるデコーディング研究
履修条件・関連する科目
履修条件は要さない。
成績評価の方法と基準
毎回実施する小テスト(合計で50%)と期末レポート(50%)により評価する。
履修取り下げの際に届を必要としない。レポートの未提出者を「W(欠席)」とする。
教科書・テキスト
教科書は定めない。資料は必要に応じて講義内で示す。
参考書
嶋田総太郎「認知脳科学」コロナ社
榊原洋一・米田英嗣(編)「発達科学ハンドブック8 脳の発達科学」新曜社
宮崎真 他(編著)「日常と非日常からみるこころと脳の科学」コロナ社
その他、授業中に適宜紹介する。
注意事項
講義内容について受講後ノート等で自分なりに整理し,知識の定着を図ること。
本授業に関する参照Webページ
担当教員からのメッセージ
The goal of this course is to acquire basic knowledge of the relationship between brain and mind and to think deeply what is human. The students will learn how the mind works, examining basic cognitive and behavioral processes from a neuroscientific perspective.
座学としての授業だけでなく,実際の人を対象とした実験というものに触れてもらうことも重要だと考えている。今年度はオンライン授業のため,教室内での実験に参加して貰うことはできないが,オンライン実験の参加者の募集をおこなう可能性があるので,積極的に参加し取り組むことを望む。
また本授業は,心理学なのかでも特に脳や身体とこころの関係を探る研究分野の視点に立っておこなう。そのため一般的に想像されるいわゆる心理学や文系の授業とは少しギャップがあるかも知れない。また,脳部位の名前や脳機能を計測する装置の原理の紹介など理系的な要素を含むので,受講に当たってはその点をあらかじめ了承しておくこと。