2019年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20190032311

●科目区分
言語文化Ⅰ

●科目名
英語(上級)
●主担当教員名
山本 幸一

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅲ期
火・3
●対象学部




●本授業の目的およびねらい

学会や社会で求められるプレゼンテーションを行えるよう、リーディング・スピーキング・リスニング・ライティングの各能力を高め、また4技能の統合を目指すことを目的とする。研究拠点大学たる名古屋大学の学生に相応しい学術英語を使いこなす能力を、実際の運用を前提とした学習活動を通して養う。自分の考えをその根拠とともにいかに説得力ある論理的な英文に組み立てるかというこれまで英語(基礎)・(中級)で養った知識・技能と、英語(コミュニケーション)で培ったコミュニケーション能力に加え、プレゼンテーションに必要な知識や技能を習得し、学術英語を使いこなす能力を更に発展させる。

●履修条件あるいは関連する科目等

特になし。

●授業内容

研究拠点大学の学生に相応しい学術英語を使いこなし、4技能を統合できるように、教科書の課に沿って、リスニング、内容理解を行い、論理的文章での原稿を作成し、それに基づくプレゼンテーションを発展させる。指定された部分を、必ず予習・復習すること。扱う英語の素材を、時系列的に整理して理解することと、論理的な英語の文章を作成し発表する技能を発展させる。次の点を銘記して欲しい。
1. 「日本語で明確に表現できなければ、英語で明確な文章を発表ことはできない」。日本語は、日本人にとって、知的活動と、独自性の創出のための最も基本的な土台であり、母語を通して論理性を向上させることが大切である。 
2. 「言語の本質は音声である」。日本人の言語認識は視覚言語中心であり、日本語は音声的に平易な言語である、他方、言語の本質は音声であり、日本人の外国語習得には音声の困難が付きまとう。また、英語の正確な理解のためにも、音声の習熟が重要であり、音声的なバックボーンの養成を目指す。
3. 「ライティングは建築である」。日本語の文章は、設計図の不明なものが多く、「何が言いたいのか分からない」文章になりがちである。従って、英語の文章について、整理してまとめたり、自分の意見を論理的に構築し提示して、文章構成技術の習得を目指す。
4. 「ライティングは技能であり、学習が必要である」。ライティングは日常会話以上の深いレベルの伝達手段であり、自然に身につくものではない。使用する表現を吟味し、精密に論を組み立てる必要がある。

●成績評価の方法

対面授業(80%)では、およそ次の割合で評価する。毎回の出席・授業への貢献度(25%)中間考査(25%) 考査(30%)。課外学習の評価(20%)については、下記の注意事項を参照。 

●教科書

CNN Student News (4), 関戸冬彦, 小暮正人, Jake Arnold, Ken Ikeda
朝日出版社, 2013. ISBN978-4-255-15587-6 C1082

●参考書

英和、和英、英英辞典(毎回、持参すること)。DVD、CDによる英語の視聴。

●注意事項

対面授業に加え、課外学習教材「eFACE」を課し、その成績に基づく評価を授業全体の評価の20%とする。なお、5回以上欠席をした場合、「欠席」の評価がつく。履修取り下げ制度は採用しない。

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

課外学習の説明資料は、アカデミック・イングリッシュ支援室のサイト ( http://elearn.ilas.nagoya-u.ac.jp/access/ ) からダウンロードすること。

「何年学んでも英語が使えない」という感想には、英語が聴き取れないことに大きな要因がある。このため、音声活動に力を入れ、授業以外にも英語に耳を傾ける習慣を身につけたい。また、英語の「知識(knowledge)」ではなく、活用できる「技能(skill)」にするために、音声に多く触れ、知識を「自動化(automatization)」し、日本語の介在なく、「音声と意味の直接連想(direct association)」を可能にしたい。「発音は、外国語学習者にとって最大の難関であり、自然な会話は、学習の最後でやっと達成される。母語と外国語の習得は、正反対の方向を向いている」というヴィゴツキーの指摘がある。テーマを設定しての発表に加え、パーティー等でのカジュアルな談話のように、様々なトピックについてやりとりができることも目指したい。宇宙飛行士の古川聡氏が医学の国際会議で学会発表した折り、事前の準備もあり発表の方は上出来であったが、質問が聞き取れず、質疑応答がガタガタになってしまったという苦い体験の述懐がある。グローバルに活躍したり、独創的な仕事ができるためにも、日頃の音声インプット学習を継続して、将来、英語の4技能に苦労することなく英語が使えることを期待したい。


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