●本授業の目的およびねらい
「生命を分子でみる」:人類をはじめとする動植物が、生命を維持するために必要とする物質とエネルギーに焦点を当て、化学の言葉である分子のレベルで生命をどこまで語ることができるのかを学ぶ。とくに、「分子とは何か」、「生命のしるしとは何か」、「材料のための分子」、「エネルギーのための分子」、「分子モーター」、「分子による情報伝達」など、さまざまな作用を担っている分子のはたらきについて、学生が興味をもつ項目について調査させ、独自の考察を加えて、説得力ある発表討論が出来る力と知的好奇心を養うことを目的とする。
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●履修条件あるいは関連する科目等
このテーマに興味があり、生命の仕組みを化学の言葉で知りたいと思う人。高校で化学関連科目を履修した経験があることが望ましいが、必須条件ではない。化学が嫌いでなければよい。
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●授業内容
基本テーマ「生命を分子でみる」は、生物がどのように物質とエネルギーを作り利用しているのかを調査し、身の回りにある生命の仕組みをどこまで分子レベルで理解することが出来るのかを考えながら授業を進めてゆく。 01.メンバー・教員・TAの自己紹介と授業の進め方の説明。 02.基本テーマについて説明し、学生に調査してみたいサブテーマを考えさせる。 03.学生の希望するサブテーマを提出させて話し合い、グループ分けを行なう。 04.プレゼンテーションツール(文書と図表の作成、パワーポイント)の説明。 05.グループとしての課題を提案させ、グループ内での調査項目の分担を決定する。 06−7.各自の分担課題調査と、その結果を持ち寄りグループ内討論 08.レポート提出、A4で1~2枚程度。 09.中間報告会 各自(1グループあたり 発表15分・質疑応答10分)。 10.中間報告会で指摘された問題点をふまえた再調査と中間報告書の作成(各自)。 11−13.報告会 各グループ(発表15分・質疑応答15分)。 14.報告会の結果を踏まえて、グループ内討論、全体討論を経て報告書の改訂を行う。 15.最終レポート試験の作成・提出。
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●成績評価の方法
(1)意欲・積極性・出席状況(30%)。(2)発表が聞く立場から判断して的確か、理解しやすい発表用資料が作成できているか(40%)。(3)レポート、中間および最終レポート試験の評価(30%)。
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●教科書
「生命をみる‐分子と生命の化学」フィリップ・ボール 著 赤木昭夫訳(産業図書)
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●参考書
付属図書館にある生化学関係や有機化学の入門的な教科書を参照することを勧める。
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●注意事項
初期段階の導入部をのぞいて、教員とTAはテーマ設定以降の問題点の発掘とその解決法の提案について助言は行うが、学生諸君の積極的かつ主体的な調査、考察、プレゼンテーションソフトを活用した他人への説得力ある発表と報告書作成が最重要である。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
生命現象は神秘ではなく、ことごとく物理と化学の言葉だけで説明できるはずである。これは、シュレディンガーの波動方程式で有名な量子力学の父と言われたシュレディンガーの名著「生命とは何か?」(1944年)の中の一節です。化学者の側から見れば、生命現象はすべて、化学反応からなりたっているとも言えます。本セミナーでとりあげる「生命を分子でみる」では、分子に焦点をあて、生命の仕組みを化学の言葉で理解することを目標とします。中学、高校レベルの化学や生物の知識があれば大丈夫です。
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