●本授業の目的およびねらい
セミナーのテーマ:地球温暖化と異常気象 ―科学データの読み解きかた― 昨年は7月豪雨やそれに続く熱波、台風の高潮による空港浸水など、激しい気象災害に見舞われた年でした。異常気象はなぜ起こるのでしょうか、そして地球温暖化と深く関わっているのでしょうか?本セミナーはこの疑問に答えるべく、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書など関連文献(英語または日本語)が示す科学データを題材とし、慣れ親しんだ常識に囚われずデータを深く読み解く力の育成を目的とします。また討論やプレゼンテーションを通じ、柔軟な思考力と豊かな発信力を強化することを目指します。
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●履修条件あるいは関連する科目等
特別に高度な語学力は要求されませんが、一般読者向けの英語文献を消化できる基本的な英文読解力は必要です。身近な気象を通じて地球規模の気候の成り立ちを考えることに興味があれば、文系・理系は問いません。
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●授業内容
各三週を一つの単位として、第一週は担当教員が提示した題材をもとにグループ間で検討を行い、第二週では各グループで話しあった意見をプレゼンテーション(発表10分+全体討論10分程度)します。その際に全体討論で浮かび上がった課題を受けてプレゼンテーションの内容や構成をグループ内で見直し、第三週では改善点を反映させた最終プレゼンテーション(発表15分+全体討論10分)を行います。 学生は一チーム4名程度の3グループに分かれます。プレゼンテーション資料はパワーポイント等のPCソフトを用い、セミナー中の検討時間および課外時間を活用しチーム内で協力しながら作り上げます。三週ごとにグループを再編成し、新たな題材に挑みます。 当セミナーでは以下のような科学的問いに関わる題材を想定しています。文献に書かれている結論を初めから鵜呑みにせず、科学データが示唆する事実は何か、時間をかけて話し合い考え抜く姿勢を重視します。 ・以前と比べて豪雨や熱波は近年増えつつあるだろうか? ・降水量の変化や猛暑の頻発は地球温暖化と関係しているだろうか? ・そもそも豪雨がなぜ発生するのか? ・そもそも地球温暖化はどうして起こるのか? ・将来の温暖化や豪雨の激化に対して私たちはどの程度の予測が可能なのか? ・(その他)
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●成績評価の方法
プレゼンテーションの完成度(30%)、討論での積極性(40%)、グループ内のリーダシップなど全般的な参加意欲(30%)を成績評価の対象とします。学期途中で履修取り下げを希望する場合は、担当教員の許可を必要とします。
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●教科書
資料はセミナー中に随時配布します。教科書はとくに指定しません。
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●参考書
参考書はとくにに指定しません。
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●注意事項
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
豪雨災害や酷暑など近年話題に上ることの多い異常気象やその背後にある気候の成り立ちについて、私達はどれほど正しく理解しているでしょうか?高度情報化社会を生きる現代人は、答を求めれば簡単に検索で知ることができますが、そこにある情報が正しいかどうか見極めることは必ずしも簡単ではありません。物事の真実に近づくには、主観的なフィルターをなるべく排除した一次データにアクセスし、自分の頭で考え判断するほかありません。また、考え方の違う人と討論を重ね自身の誤解や思い込みに思い至ることも重要です。このセミナーが、そのような思考習慣を身に着けるきっかけとなることを願っています。
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