●本授業の目的およびねらい
今世紀に我々の文明社会が直面している最大の問題は、エネルギー問題と環境問題である。この問題を解決することができなければ、膨大なエネルギー消費と環境負荷の上に成り立っている現在の快適で文明的な社会は長続きしない。我々が将来に対して責任のある判断をするためには、これらの問題の一面のみに基づく近視眼的な判断ではなく、多角的な視点から総合的かつ合理的に判断する必要がある。本授業では、これらの問題を様々な論点から議論するための視点と、工学部生としての理系基礎知識に基づく判断基準を獲得することをねらいとする。
|
●履修条件あるいは関連する科目等
特になし。
|
●授業内容
初回にオリエンテーションを行い、その後、1から3回の講義をひとまとまりとして以下のテーマについて講義(一部、見学)を行う。 1.エネルギー及び環境の基礎 2.環境問題の全体像とメカニズム 3.環境問題の克服と挫折 4.エネルギー問題の概要と視点 5.エネルギーの選択肢と社会的受容性(リスクと便益) 6.エネルギー施設の実態(希望者による見学)
|
●成績評価の方法
数回の講義をまとまりとするテーマ毎に講義時間中あるいは宿題として課す課題(70%)と期末レポート(30%)によ成績を判断する。課題及び期末レポート(必須)の提出が半数未満の場合は成績評価で「欠席」とする。
|
●教科書
特になし。必要に応じて資料を配付する。
|
●参考書
山﨑耕造「エネルギーと環境の科学」共立出版 その他、講義中に参考となる図書等を紹介する。
|
●注意事項
エネルギー施設の見学は土、日曜日に実施する可能性がある。
|
●本授業に関する参照Webページ
|
●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
今の便利で快適な生活環境を皆さんの子供や孫の世代が享受できるか考えたことがありますか?、普段は、今のような快適さが続く、あるいはより便利な社会が出現すると無意識のうちに考えているかもしれません。もし世界の人口が今の1/10かそれ以下であれば、あまり心配する必要はないでしょう。しかし、既に人口が宇宙船「地球号」の定員を超えてしまってるかもしれません。この講義をとおして、地球の環境問題とその背景にあるエネルギー問題を「工学部的」に合理的に判断できるようになりましょう。これから皆さんが学部及び大学院で学ぶ専門的な講義について、「何のために学ぶか」や「何の役に立つのか」といった疑問や迷いを持つ人を見かけます。この講義はそれらの迷いを解決する指針を与えることができるかもしれません。
|