2019年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20190012127

●科目区分
理系教養科目

●科目名
宇宙科学
●主担当教員名
伊藤 好孝

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅰ期
火・1
●対象学部
情(自然・コン)・理・医・農



●本授業の目的およびねらい

太古の昔より宇宙は人間にとって神秘の源泉であり、人間はそこから自然法則を学び今日まで物理学を発展させてきた。近年では宇宙を見る「眼」は飛躍的に進歩し、光だけではなく、X線、赤外線、電波をはじめガンマ線やニュートリノ等の素粒子、重力波という空間の歪みまで用いて様々な角度から宇宙の解明が進み、現代の宇宙像は大幅に塗り替えられつつある。一方で宇宙空間利用が進み、人間にとって宇宙は手の届かない別天地ではなくなりつつある。本講義では宇宙の謎に挑む最前線の研究者が、最新の観測や理論に基づき、宇宙創生から地球のすぐそばの宇宙空間に到るまで、宇宙の全体像を俯瞰する。

●履修条件あるいは関連する科目等

特に宇宙科学・天文学・惑星科学・素粒子物理に関連した分野を志望する学生だけでなく、理系学生一般あるいは宇宙や素粒子に興味を持つ文系学生の聴講も歓迎。

●授業内容

1 イントロダクション ~宇宙科学概観~(伊藤 好孝)
2 最新の天体形成論 (犬塚 修一郎)
3 ビッグバンと宇宙背景放射 (杉山 直)
4 星間物質と銀河の進化 (金田 英宏)
5 星の一生と超新星爆発 (立原 研悟)
6 X線で見るブラックホールと中性子星(中澤 知洋)
7 ガンマ線で探る高エネルギー宇宙 (田島 宏康)
8 重力波天文学の夜明け(川村 静児)
9 太陽系外惑星の探索 (阿部 文雄)
10 地下から探る素粒子と宇宙 (伊藤 好孝)
11 爆発する太陽 (増田 智)
12 地球近傍の宇宙とオーロラ (平原 聖文)
13 電波で探る地球環境 (水野 亮)
14 太陽に影響される地球 (三宅 芙沙)
15 対象性の破れと宇宙の始まり・終わり (伊藤 好孝)

●成績評価の方法

毎回、講義の内容に関連して自分の意見を書き、あるいは自分で調べた結果を付したレポート(A4用紙1枚程度)の提出を求める。
その成績を集計して最終成績とする。

●教科書

特になし

●参考書

特になし

●注意事項

特になし

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

みなさんは、これまでの物理や地学の勉強の中で、宇宙や地球についてさまざまな知識を、普遍の真理のように学んでこられたかもしれません。大学に入れば、教科書に書かれている知識は、最先端の研究によって日々塗り替えられ、アップデートされてゆくものであることを知るでしょう。そのような最先端の知識が大学で勉強するべき知識であると言えます。
 名古屋大学は全国の大学のなかで最も宇宙の研究が盛んな大学のひとつです。特に可視光、赤外線、電波、X線、ガンマ線をはじめあらゆる波長の光での研究を網羅し、宇宙線やニュートリノや重力波など、光以外の手段による宇宙研究も含めて多面的な研究を1箇所で行なっている場所として、世界的に見ても名古屋大学は特別な大学です。
 また、名古屋大学には、地球から太陽に至る地球のすぐ外側の宇宙空間を専門的に研究する研究所「宇宙地球環境研究所」があり、人類の暮らしを支える人工衛星や地球環境そのものへ、宇宙の変動が及ぼす影響についてユニークな研究が行われています。
 高校から大学に進めば、勉強することの意味が全く変わります。世界的に活躍する研究者が毎週入れ替わり、それぞれの最前線の研究成果を直接話してくれる貴重な講義です。本講義では、毎週講義内容に関係したレポートが主題されます。宇宙の最先端の知識を身につけるだけでなく、人から教わり覚えることから、自分で調べて、頭で考え、それを人に伝えるスキルを身につけて、知のプロフェショナルへ助走するよい機会になることを期待しています。


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