●本授業の目的およびねらい
経済のグローバル化や人工知能の開発がすすむ中で、教育のあり方を考える必要に迫られている。高度に発展した社会の中で活躍できる人材の育成とともに、すべての人が社会に主体的に参加できる力を教育で身につけることが求められている。この授業では「教育福祉」の視点から、貧困・障害・差別といったハンディを克服する教育のあり方を考えるとともに、さまざまな困難をかかえた人とともに育つことでより豊かな人間発達を達成する道筋を考えられるようになることをめざす。このような力を基盤に、教育の実践と制度改革に総合的に取り組めるようにする。
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●履修条件あるいは関連する科目等
現代社会に関心があり、高校レベルでの日本戦後史の基本的な知識があることが望ましい。
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●授業内容
この授業では、戦後教育の支柱になった教育基本法の理解を深め、そこから現代社会における教育のあり方を考える。その際、「教育福祉」の視点を導入して、教育の制度と価値について考え、さらに、地域社会における人間発達と教育のあり方を考える。
01.教育の発達とは何か―戦後教育学の原点― 02.教育基本法が掲げた教育理念 03.今日の子ども・若者がおかれている状況 04.子ども・若者の自立を支える制度と実践 05.教育福祉の提唱と展開 06.学校教育と社会教育をむすぶ教育福祉 07.教育基本法と児童福祉法の先駆性と課題 08.社会的排除に取り組む戦後教育実践 09.社会的排除に取り組むEU諸国の実践 10.教育福祉から考える教育の制度整備 11.教育福祉から考える教育的価値 12.困難をかかえた当事者が中心となった教育運動 13.子ども・若者の困難に向きあう地域づくり 14.人間発達にかかわる職員に求められること 15.試験及び解説
テキスト(辻浩『現代教育福祉論―子ども・若者の自立支援と地域づくり―』ミネルヴァ書房)の該当ページ(各回20ページ程度)を読んで授業に臨んでほしい。
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●成績評価の方法
履修取り下げ制度を採用する。 2回のレポート(25点×2)と学期末試験(50点)で成績評価を行う。
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●教科書
辻浩『現代教育福祉論―子ども・若者の自立支援と地域づくり―』ミネルヴァ書房 ISBN978-4-623-08083-0
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●参考書
橘木俊詔『日本の教育格差』岩波書店、ISBN978-4-00-431258-1 阿部彩『子どもの貧困Ⅱ―解決策を考える―』岩波書店、ISBN978-4-00-431467-7 宮本みち子『若者が無縁化する』筑摩書店、ISBN978-4-480-06650-3
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●注意事項
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
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