●本授業の目的およびねらい
化学を学ぶ醍醐味の一つに、物質の精緻かつダイナミックな挙動を論理的に解釈できることがある。なぜ物質の状態は変化するのか?化学反応の仕組はどうなっているのか?先人達の培ってきた化学平衡や反応理論を身につけることにで、その解法が見出せるだろう。有機物質は炭素を含む多様な物質群である。複雑に見えるその構造や反応も、個々に見れば合理的な原理に支配されている。本講義では、分子の電子的性質と構造的性質を理解した上で、化学反応を支配する原理と理論について学習し、代表的な有機化学反応について、有機電子論を基に解説する。
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●履修条件あるいは関連する科目等
本講義と対をなす化学基礎Iを履修していることが望ましい。
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●授業内容
1.分子の性質 原子の電子配置/軌道混成/電気陰性度/酸性度/共鳴/共役二重結合/芳香族性 2.分子の立体構造 表示法/構造異性体/立体異性体(鏡像異性・ジアステレオ異性・配座異性) 3.化学反応論 遷移状態と反応中間体/熱力学支配・速度論支配/平衡定数/エントロピー・エンタルピー/酸・塩基/酸化・還元 4.有機電子論 電子の流れ方/反応の型式(置換・付加・脱離・転位)/反応速度・次数/極性反応/ラジカル反応 5.有機官能基の性質と反応 官能基の分類/命名法/官能基に特有の反応
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●成績評価の方法
出席、演習問題、レポートと期末試験により総合的に評価する。
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●教科書
深澤義正・笛吹修治 著「はじめて学ぶ 大学の有機化学」(化学同人)
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●参考書
P.W.Atkins,M.J.Clugston 著、千原秀昭・稲葉章 訳「物理化学の基礎」(東京化学同人)
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●注意事項
欠席と不合格の取扱いは、次の通り定める。1)11月末までに学生から申し出があれば、履修取り下げができる。2)履修取り下げ届に学生が必要事項を記入し、自署サインの上担当教員に提出する。3)届け出書を半分に切り、控えを学生と教員がそれぞれ保存する。4)届が受理された学生は「欠席」、それ以外の学生は通常通り成績評価する。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
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