●本授業の目的およびねらい
主に遺伝子の複製,転写,翻訳に関する体系的知識を,分子生物学的視点で理解し,修得する.特に原核生物を中心に一般的な仕組みについて概説する.また,必要に応じて真核生物に関する知見を対比させて講義する場合もある.分子生物学的研究技術に関しては古くから伝わる技術のみならず,次世代シークエンスを含め最新の技術についても,随時解説する.教科書を中心に講義で取り上げる図をプリントにして配布し,それに基づいて講義する.学生は毎回講義に関する質問・意見を提出し,それらについて次回の講義の初めに解説・コメントする.
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●履修条件あるいは関連する科目等
生物化学1
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●授業内容
01.・・・・・・核酸に関する生化学的特徴・性質 02.・・・・・・核酸に関する生化学的特徴・性質, DNAシークエンス等 03.・・・・・・複製に関するタンパク質(DNA ポリメラーゼ等)の特性 04.・・・・・・複製の分子機構 05.・・・・・・DNA修復の分子機構(ミスマッチ修復系, 塩基除去修復) 06.・・・・・・DNA修復の分子機構(ヌクレオチド除去修復,直接修復) 07.・・・・・・転写の分子機構(RNA ポリメラーゼの特性、転写開始点) 08.・・・・・・転写の分子機構(開始、伸長、終結) 09.・・・・・・原核生物の転写調節機構(lacオペロン、リプレサー) 10.・・・・・・翻訳の分子機構 (mRNA配列における遺伝暗号の解読) 11.・・・・・・翻訳の分子機構 (遺伝暗号を変える遺伝子の変異 ) 12.・・・・・・翻訳の分子機構 (アミノアシルtRNAの合成) 13.・・・・・・翻訳の分子機構 (翻訳装置リボソームの構造と機能) 14.・・・・・・翻訳の分子機構 (翻訳開始、伸長段階、終結の機構) 15.・・・・・・翻訳の分子機構 (タンパク質の翻訳後修飾と輸送 )
各項目に関する基礎知識を普遍的・教科書的レベルに体系化して講義する
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●成績評価の方法
・中間&学期末試験(98%),レポート(2%)・出席は基本なので成績に加味しないが、6回以上欠席すると試験を受験できない場合がある.・履修取り下げは認めない。・両試験を受験しないものは欠席とする。
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●教科書
「レーニンジャーの新生化学・第6版」上・下(廣川書店) 項目01-03 上巻,項目03-15 下巻
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●参考書
Lehniger Principles of Biochemistry seventh Edition (w.h freeman Macmillan Learning),細胞の分子生物学・第5版(ニュートンプレス),ワトソン遺伝子の分子生物学・第7版(東京電機大学出版局),エッセンシャル遺伝子(東京化学同人)
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●注意事項
この講義は農学部専門科目と同等の位置づけであり、専門的な内容を取り扱う。単位認定は厳しい基準で行うので、真摯に講義に取り組むこと。農学部応用生命科学科の学生は本講義の単位取得が必須であり、他学部・学科向けの「生物学基礎II」の単位は卒業単位として認めない。前年度の成績は極めて悪く、単位を修得できた学生は少ない。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
2017年度からカリキュラム変更のため,1年次では関連科目は生物化学1しかない.入学試験に生物学を選択しなかった学生の成績は,一般的によくない.2018年度から定期試験を中間試験(10,11月講義の内容)と期末試験(12,1月講義の内容)に分けた.1年次に単位を修得できなかった場合は,2年次の同じ時間に必修科目の開講と重なるため,3年次に再履修することになる.全学教育科目として開講されるが,農学部専門科目と同等の位置づけであり、専門的な内容を取り扱う。単位認定は厳しい基準で行うので、真摯に講義に取り組むこと。
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