2019年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20190023101

●科目区分
理系基礎科目(理系)

●科目名
化学基礎Ⅱ
●主担当教員名
長岡 正隆

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅱ期
水・1
●対象学部
情(自然)



●本授業の目的およびねらい

 この世の全ての「もの」は、分子から成り立っています。また日常的な「物質の変化」
は、分子の化学反応によって起こり、日常的な「物質の運動」も、分子集団の多様な動き
によって生じます。極言すれば、この世の全ての「こと」も、分子から成り立ったってい
る「もの」が引き起こす「こと」なのです。この「化学基礎Ⅱ」では、こんな観点から、
この世の中を見直す基礎として、この「化学基礎Ⅱ」では、化学の基礎的な理屈や考え方
を織り交ぜながら、①”化学結合”のできる仕組みと、②”エントロピー”という新しい
考え方の大きく2つを中心に、“この世の中”の物質的仕組みについて考えます。

●履修条件あるいは関連する科目等

特になし。ただ好奇心と積極性を持っているととても良い。
関連科目:化学基礎I(情報学部);化学実験;物質と科学(理系教養科目)

●授業内容

 「化学」は、物質の性質や変化を取り扱う学問です。その内容には、性質の説明や変化
の法則を理解するための「基礎的側面」と、性質の分類と変化の表現を展開する「応用的
側面」とがあります。本講義では、特に基礎的側面を扱います。最近、「高校化学」を、
「理論」、「有機」、「無機」と3つに分類しますが、「大学化学」の特徴として、かな
り理論的であることが挙げられます。つまり「大学化学」では、より理屈や考え方に重点
を置いて説明します。例えば、K殻の電子は2個でL殻では8個と、2×(nの2乗)と
単に暗記したり、「炭素の手は4つある」と覚えましたが、その理屈は「量子化学」を学
習して学びます。さらにそれを基礎に”化学結合”を学びます。また「高校化学」では、
化学平衡を学ぶ際「平衡が成立している条件(濃度、温度、圧力)を変化させると、その
条件変化の影響を緩和する方向に平衡が移動する」という平衡移動の原理(ルシャトリエ
の原理)を習います。ところが(理想)気体が膨張したり、0℃の氷が水(0℃)に融け
たりする現象は、なぜ起こるのでしょうか? 一部の高校の参考書には、これは“乱雑さ
”が増すからと説明されていますが“乱雑さ”とは一体何なのでしょうか? 
 第0編 はじめに
 第1編 物質の構成粒子とその結合
  第1章 物質の構成  第2章 粒子の結合  第3章 物質量と化学反応式
 第2編 物質の状態
  第1章 物質の三態  第2章 気体  第3章 溶液
 第3編 化学反応
  第1章 熱化学  第2章 反応の速さと反応のしくみ  第3章 化学平衡
  第4章 酸と塩基の反応 第5章 酸化還元反応と電池・電気分解
 第4編 おわりに
 本講義では、高校理科の用語はそのまま使用します。章立てや単元名等は、数研出版の
チャート式新シリーズを基本に、同社の「高校化学」の教科書を参考に構成しました。大
学化学を理解するために必要な高校物理の学習項目は、適宜、最適な箇所で補習します。

●成績評価の方法

出席や質問、プレゼン、小テスト、クイズレポート、定期試験などの総合評価による。

●教科書

毎回、プリントを準備します。(ただし持っていたらとても良い「教科書」として、●マッカーリ・サイモン原著『物理化学―分子論的アプローチ』(上・下)(東京化学同人)を上げておきます。)

●参考書

●神部武志、佐々木直幸、内藤正美、渕上信子著『コンピュータ物理の世界』●平山令明著『実線量子化学入門』●竹内淳著『高校数学でわかるボルツマンの原理』(以上、講談社)●A.スコット著、野中浩一訳『生命のメカニズムがわかる本』(HBJ出版局)●長岡正隆編著『すぐできる分子シミュレーションビギナーズマニュアル』(講談社)

●注意事項

特になし。

●本授業に関する参照Webページ

http://www.ncube.human.nagoya-u.ac.jp/

●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

・毎年、講義が始まると、私(長岡)のWEBページ
http://www.ncube.human.nagoya-u.ac.jp/
の中の「研究内容」=>「講義資料」に、「講義用プリント」を、講義の進行状況に応じて、アップロードして行きます。出席者は、適宜、アクセスし、あらかじめ、それを印刷・持参して、講義に臨んでもらう訳です。

・もし、インターネット環境やカラープリンターが手元になくて不便な人も、申し出てもらえれば、こちらで必要分の「講義用プリント」を用意しますので、心配は要りません。

・講義に関する質問も、随時、受けていますので、遠慮せずに質問してください。直接、研究室(大学院情報学科棟6F605号室)に出向いて下さっても結構ですし、上のWEBページで確認できる私の電子メールアドレスにメールを送って貰ってもOKです。(ただし氏名を名乗ったメールでお願いします。)


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