2019年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20190022326

●科目区分
理系基礎科目(理系)

●科目名
物理学基礎Ⅱ
●主担当教員名
谷村 省吾

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅱ期
火・3
●対象学部
情(自然・コン)



●本授業の目的およびねらい

電磁気学、すなわち、電気と磁気に関係する理論体系の基礎的な部分を学ぶ。場の概念を把握し、電磁場の基本法則を理解し、比較的簡単な状況において電場や磁場を求め、その物理的意味を検討できるようになることを目指す。電磁場を記述する数学的道具としてベクトル解析を習得する。

●履修条件あるいは関連する科目等

力学と微分積分を学んでおくことが望ましい。

●授業内容

主要な項目を列挙しておくが、この順番どおりに講義するとは限らないし、すべての項目を解説するとも限らない。
・電気と磁気の発見
・クーロンの法則
・電場の概念
・数量概念
・ベクトル代数とベクトル解析
・保存力の法則と電位
・電束とガウスの法則
・対称性と電場
・電流と電荷保存則
・導体、絶縁体、誘電体
・コンデンサーと電気容量
・磁場とローレンツ力
・アンペールの法則
・ファラデイの法則
・マクスウェル方程式と電磁波

●成績評価の方法

宿題レポートと定期試験によって成績評価する。
履修取り下げ制度を採用する。

●教科書

とくに指定しない。電磁気学の教科書は多数出版されている。図書館で本を数冊借りて読み比べ、自分に合うと思う本を見つけて、本を買ってじっくり読む勉強方法がおすすめである。推薦したい参考書を挙げておく。

●参考書

1. パーセル「バークレー物理学コース2:電磁気」(丸善)。以前は上下2巻に分かれていたが、2013年に1冊に合本された。優れた洞察が示されている本。
2. 長岡洋介「電磁気学1, 2」(岩波書店, 物理入門コース)
3. ファインマン、レイトン、サンズ「ファインマン物理学3:電磁気学」(岩波書店)

●注意事項

資料プリントを講義時に配布する。また、資料ファイルを担当教員のウェブページで公開する。

●本授業に関する参照Webページ

http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/class/index.html

●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

電磁気学は、電磁場という目に見えない抽象的な概念を扱いますが、我々の目に見える光の正体は電磁場の振動です。携帯電話もテレビもGPSも電子レンジも電磁波を利用しています。コンピュータやモーターを作動させているのも電気です。また、歴史的には、電磁気の問題の研究から相対性理論と量子論が生まれました。電磁気学は、基礎物理にとっても、テクノロジーにとっても、今後とも不可欠なものであり続けるでしょう。半年の講義で電磁気学をマスターすることは易しくはありませんが、電磁気学の基本事項は習得できるような講義を提供したいと思っています。履修者諸君は、話を聴いただけでわかった気にならないで、本を読み、計算問題・練習問題を解いて自分の理解を確かめて下さい。

シラバス冊子に挙げなかった参考書:
・北野正雄「マクスウェル方程式」(サイエンス社)
・砂川重信「電磁気学」(岩波書店、物理テキストシリーズ 4)
・今井功「電磁気学を考える」(サイエンス社)
・太田浩一「電磁気学の基礎 1, 2」(東京大学出版会)


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