2019年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20190021314

●科目区分
理系基礎科目(理系)

●科目名
微分積分学Ⅱ
●主担当教員名
山下 太郎

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅱ期
月・3
●対象学部
工(電情)[9・10]



●本授業の目的およびねらい

定量的変化を記述・分析する数学の分野が解析学であり、その中心的方法は微分・積分である。これらの方法は自然科学において必須の研究手法であるが、近年はさらに社会科学などにも広く応用されている。本科目は通年講義の後半として、多変数微分積分学の基本を理解し、様々の計算に習熟して応用できるようになることを目的とする。特に、多変数関数のグラフなどを通して幾何学(空間)的イメージ、線形代数と結び付いた理解を重視する。

●履修条件あるいは関連する科目等

高校数学及び微分積分学Iの内容を既知とする。微分積分学Iとあわせて完結した講義となる。

●授業内容

以下の授業内容は標準的に教えられるものであり、講義の順序を示すものではない。また、クラスによって
はさらに進んだ内容が教えられる場合もある。実際の講義予定は別に提示する。

1.多変数関数の極限と連続性
多変数関数(特に2変数関数)の極限に関する基本的事項と連続関数の基本性質を学ぶ。
(キーワード)ユークリッド距離、点列の極限、多変数関数の極限と連続性
(発展的内容)近傍、開集合、閉集合、連続関数の性質

2.多変数関数の微分法
多変数関数(特に2変数関数)について微分法の基礎を理解する。さらにそれを用いて、平面上の関数の様々な性質について調べられるようにし、極値問題などへの応用を学ぶ。
(キーワード)偏微分と方向微分、合成関数の偏微分、テイラーの定理、高階偏導関数、極値問題
(発展的内容)全微分、接平面の方程式、座標変換、勾配ベクトル、二次形式としてのヘシアン、陰関数定
理、ラグランジュの未定乗数法、多変数関数

3.多変数関数の積分法
重積分の意味を理解し、累次積分による積分計算に習熟する。さらに極座標変換などの例を通して、変数変換とその重積分への応用を学ぶ。
(キーワード)重積分、累次積分、変数変換、ヤコビアン
(発展的内容)積分順序交換、曲面積と体積、(多変数)広義積分、線積分、グリーンの定理

●成績評価の方法

筆記試験(期末)及び必要に応じてレポート課題を与え、それらの成績から総合的に評価する。また、履修取り下げ届が提出された場合は「欠席」とする。

●教科書

Ⅰ期に指定されたもの

●参考書



●注意事項

授業は講義と共にできる限り例題演習を織り込む。授業時間が限られているので、自宅での予習・復習・演習が不可欠である。講義内容の順序は変更される場合がある。また、試験での不正行為は絶対に行わないこと。

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

教える範囲が決まり難易度も整えられている高校までの数学と異なり、大学で学ぶ数学はより厳密で抽象的な理論になります。また将来必要となる高度な内容も含んでおり、初めは難しく感じたり戸惑ったりするかもしれません。しかし難解なものや不明瞭なものにこそ勉強すべき題材が含まれているのです。その意味で、難しいからといって勉強を諦めるのではなく、考えて考えて考え抜くという態度を身につけ、是非数学の本当の面白さや大切さを見つけ出してください。


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