●本授業の目的およびねらい
私たちは生まれてから死ぬまで、社会との関わりのなかで生きています。自分と社会をつなぐ結び目を意識すると、人生の自由と不自由がよりよく見えるようになります。個人の人生の問題を歴史と社会構造のなかに位置づけて捉える能力のことを社会学的想像力と呼びます。この講義では、社会学的想像力の意義と鍛え方を伝えたいと思います。あわせて、自然科学とは異なる社会科学の特徴についても折にふれてお話するつもりです。
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●履修条件あるいは関連する科目等
特になし。
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●授業内容
1)自然科学と社会科学 2)事実認識と価値判断 3)人と社会の諸相――出生 4)人と社会の諸相――学ぶ/教える 5)人と社会の諸相――働く 6)人と社会の諸相――結婚・家族 7)人と社会の諸相――病い・老い 8)人と社会の諸相――死 9)人と社会の諸相――科学・学問 10)歴史の視点 11)国際比較の視点
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●成績評価の方法
学期末の論述試験。講義の内容を理解したうえで、さらにどれだけ自分で研究を進めたかを問います。
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●教科書
筒井淳也・前田泰樹『社会学入門――社会とのかかわり方』(有斐閣、2017年)
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●参考書
見田宗介『社会学入門――人間と社会の未来』(岩波新書、2006年)
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●注意事項
私語は厳禁します。討論への積極的参加を求めます。
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●本授業に関する参照Webページ
http://www.lit.nagoya-u.ac.jp/~kamimura
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
大学の勉強には、これだけやれば十分という限界はありません。風変わりな社会政策学者だった福田徳三が百年前に絶叫した言葉を、私も皆さんに向かって絶叫したいと思います。「予は、諸君が予の講義をもって金科玉条的に一字一句鵜呑みにせらるることを最も厭うものにして、なるべく疑問をより多く喚起し、よってもってさらに高尚なる研究をなさんとの念をだに諸君の胸裏に喚起することを得ば、予が願いはすなわち足れり」。
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