●本授業の目的およびねらい
本講義は,東西両世界の文化における「歴史」の概念について考えることが目的である。具体的には,両世界それぞれで「歴史の父」と呼ばれる人物と,その著作について検討することで,比較の視点から両世界における「歴史」に対するとらえ方の相違について考える手がかりを提供することをめざす。
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●履修条件あるいは関連する科目等
歴史・歴史学に関心があること。古代史の基本的な知識があることが望ましいが,未履修者にも配慮して講義中に説明を加える。
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●授業内容
1. 導入:2人の「歴史の父」―ヘロドトスと司馬遷―(1回)
2. ヘロドトス『歴史』を読む(5-6回程度) ヘロドトスの生涯,『歴史』の体例,エジプト・スキタイの記述に見る異文化観など
3. 司馬遷『史記』を読む(5-6回程度) 司馬遷の生涯,中国史書の体例(紀伝体),四夷伝にみる司馬遷の異文化観など
4. 『歴史』と『史記』との比較(2-3回程度) (内容,体例の特徴,執筆意図,後世への影響など)
5. まとめと評価(1回)
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●成績評価の方法
全体のおよそ中間時点で小テストを実施(20%)/期末試験(80%)。 学期途中で履修の意思がなくなった場合,履修取り下げ届を提出する必要がある。提出せずに試験を欠席した場合,不可と判定する。
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●教科書
特に指定しない。講義資料をプリント配付する。
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●参考書
藤縄謙三『歴史の父 ヘロドトス』(新潮社) 宮崎市定『史記を語る』(岩波新書ほか) 『歴史』『史記』に関する解説書は数多いが,ここではそれぞれについて一点ずつあげておく。これ以外は授業中に適宜紹介する。
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●注意事項
世界史未習者は,一般的な概説書(授業中に紹介する)を講義終了までに最低1冊は読むこと。 特に予習は必要ないが,受講後,講義で扱った内容について各自で整理しておいてほしい。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
授業中に提示したスライドは,担当者のWEBサイトで閲覧できるようにする予定。
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