2018年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20180021540

●科目区分
基礎セミナー

●科目名
基礎セミナーB
●主担当教員名
宮田 卓樹

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅱ期
月・5
●対象学部
医学部(医)



●本授業の目的およびねらい

セミナーのテーマ:細胞を観る,記載する,そして伝える.コオロギ,マウス組織,培養皿上の生きた細胞やそのムービーなどを材料として,細胞のかたち(形態)とふるまい(挙動)を観察し,日単位,あるいは分単位での変化を直感的に体験した上で,それを「言葉」を使って「記載」すること,すなわち「客観的に理解」すること,そしてその客観的理解を他者と共有できるように「伝える」ことを目指す.一方,聴衆として発表者に対して質問をできるように意識し,自身の発表の際にそのことを生かすことも目指す.

●履修条件あるいは関連する科目等

とくになし

●授業内容

1 オリエンテーションと自己紹介.目的説明「観察と記載:小学校夏休み自由研究から臨床まで」. 2 テーマ選びとグループ分け.「眼」(顕微鏡)の種類.「背景」取材の方法. 3「材料」調達.細胞培養の原理説明.観察の開始. 4 報告会.問題点の分析.客観的記載例の収集法について説明. 5 報告会.「材料」「テーマ」の修正.観察の「焦点」選び. 6 報告会.伝達、発表の仕方検討. 7 中間発表/討論会. 8 「材料」「テーマ」の修正、追加。概念化/一般化に関する注意点. 9 特別講義(学会で発表された演題の例)と質疑.質問することの重要さ. 10 報告会.最終発表のための準備(クエスチョン/目的の提示,言えること言えないこと,など). 11 最終発表のための準備. 12 最終発表会.

2006年度からの新しい試みとして,「コオロギの飼育・観察に引き続いての,脳神経系,呼吸器系,循環器系,消化器系,生殖器系などに注目した解剖」を研究室の顕微鏡を使って各自にやってもらいました(その後,臓器別に発表してもらいました).一方,培養中の細胞,組織,を受け持ち,顕微鏡観察の後,班ごとに所見の発表を行いました(名大医学部宮田研究室:細胞生物学分野ホームページから,2007年夏休みに小中高生向けに開催した同様の体験コースに関する資料のダウンロード可能).2016年度も,コオロギの入手が過去同様の規模で果たされれば(野外での捕獲=指導教官担当),コオロギ関連の同様の内容で11月までを過ごしたいと考えています.12月に,細胞・組織培養を体験してもらい(「受け持ち」細胞を割り当てます),それぞれで,各自(各班)の観察成果などを発表してもらうことになります.聴衆として,質問を当然の目標として思いつつ発表に向き合う姿勢が重要です.

●成績評価の方法

積極性(50%:質問をするという行為に対して高い評価を与える),調査と発表の内容(50%).

●教科書

とくに指定しない.
研究室内の各種書物を自由に参照してよい.

●参考書

随時示す.
研究室内の各種書物を自由に参照してよい.

●注意事項

遅刻をしないこと.後片付けをきちんとすること.

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

コオロギの飼育,麻酔,実体顕微鏡を用いての解剖,正常マウスとミュータントマウスの歩行診断,マウス脳の観察,切片作製,染色,マウス胎仔の解剖,臓器採取,切片作製,染色,顕微鏡撮影,細胞培養,観察,などなど,体験・実習形式を重視します.準備のための壮絶な労力の代価として,皆さんの積極的な「ふしぎにおもうこころ」,「質問という行為」,を求めます.


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