●本授業の目的およびねらい
セミナーのテーマ: 遺伝子を使うと何がわかる? 何ができる? 遺伝子診断、DNA鑑定、遺伝子組換え食品など、いまや遺伝子やDNAは身近な言葉です。でも「DNAと遺伝子の違いは?」という問いに正確に答えるのは案外難しいかもしれません。このセミナーでは実際に実験を行いながら、遺伝子とは何か、遺伝情報を利用すると何がわかるのか、遺伝子操作とはどういうことか、そこにはどのような可能性や危険性がありうるのか、など、遺伝子とDNAに関する掘り下げた理解を目指し、合わせて主体的学習力、総合的思考力、プレゼンテーション能力の強化を目指します。
|
●履修条件あるいは関連する科目等
遺伝子に興味がある人で、実験が好きな人なら文系理系は関係ありません。DNA、転写、RNA、翻訳、この4つの言葉を聞いたことがあれば予備知識としては十分です。
|
●授業内容
1.はじめに ・オリエンテーションと講義「遺伝子とDNAの関係」。 ・自己紹介プレゼンを作ろう。
2.遺伝子を身近に感じてみよう 遺伝子やDNAのことをよく理解するために、DNAを使った基本的な実験をいくつかやってみます。「大腸菌を遺伝子組換えする実験」、「ブロッコリーからDNAを取り出す実験」、「PCR法で特定の遺伝子を検出する実験」を予定しています。 各実験の前には、どのような目的でどのような操作を行うのかを事前学習し、発表します。実験を行ったあとは、結果と考察をレポートにまとめるとともに、パワーポイントを用いて発表会(討論会)を行って、実験で何がわかったか、また、それをほかの人に理解してもらうためにはどのように工夫して説明したらよいか、を考えてみます。
3.課題研究 〜遺伝子のことを掘り下げて理解しよう〜 ・グループ分けし、各グループで相談して研究課題を決める。 ・課題を解決するにはどのような実験を行えばよいか、方法やその原理を調べる。 ・実験を行う。進捗状況を報告し、研究の進め方や方向性について討論する。 ・研究の成果を発表し、討論を行う。 ・研究の成果をレポートにまとめ、提出する。 課題は、前半で学習した「PCR法」を使って解決できるものを選ぶ予定です。教員やTAのアドバイスを受けながら実験を組み立て、実施します。発表会では、実験の内容やその結果をわかりやすく説明するにはどうしたらよいかを考え、工夫してみます。そして実験で明らかにしたことが産業や医療の現場ではどのように活用されているか、将来どのような応用が期待されているかを考えてみます。
|
●成績評価の方法
実験や討論への参加(40%)、プレゼンテーション(30%)、レポート(30%) 履修取り下げ制度を採用する。4回以上授業を欠席した場合は「欠席」とする。
|
●教科書
使用しない。
|
●参考書
セミナー中に適宜紹介します。
|
●注意事項
特になし。
|
●本授業に関する参照Webページ
|
●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
高校での「問題」はその答えが教科書に載っていますが、実社会での「問題」の答えは教科書で見つかるとは限りません。そういう問題の答えをどのようにして見つけてきたらよいかを学ぶのが大学だと思います。実験を通じて、自分で調べ、考え、仲間と相談し、自分なりの答えを導く習慣を身につけていただければと思います。
|