●本授業の目的およびねらい
先史以降,いつの時代も人類は絶えず様々な問題を抱え,その解決を図るために叡智を振り絞ってきた.自然の中にある物や現象を利用し,人類に有効な人工物へと換える術を見出していった.科学(化学)の歴史は人類全体の知恵と創造力だけでなく思想や精神における成長の記録でもある.人類の抱える課題は時代によって変わっていくが未来永劫,有益なものが遺されていったわけではない.重要なことは,常に抱える問題を明らかにし,その本質を考え,解決を図る事,そしてそれを未来に伝えることである.
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●履修条件あるいは関連する科目等
科学史(化学史)を振り返りながら、各時代の抱える問題が何であったか、それに対して人類はどのようにそれらを解決していったか、を深く考えてほしい。それらをふまえて21世紀における課題と、人類はそれらにどのように向き合うのかを一緒に考えたい。
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●授業内容
個人あるいはグループで、先史から現代まで各サブテーマについて調査を実施、纏める。その上で全体討議を行い、全体を俯瞰しながら各項目間の関連や、背景、要因を考える。それらを通じて21世紀を生きる諸君にとって必要なこと(技術とは限らない)を見出すことを目標とする。
1. はじめに︓テーマ概要の説明 2. サブテーマの提⽰、担当者の決定 サブテーマ(例:変更の可能性あり) 「人類にとって」を枕詞として、下記に示す項目の持つ意義や背景を考える。 A 火の発見 B 金属やガラス、錬金術 C 染料、薬、毒、不老不死 D 熱とエネルギー、産業革命 E 流体革命;石油の採掘技術 F 持続的発展とは G 21世紀の課題
3. 中間発表と全体討論
4. レポート作成
5. 講評とまとめ
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●成績評価の方法
発表(40%)、議論・討論への参加(40%)、レポート(20%)で評価します。 学期途中で履修の意思がなくなった場合、履修取り下げ届を提出する必要あり。
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●教科書
特に指定しない。必要に応じて資料を配布または⽂献を紹介する。
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●参考書
1)鎮目恭夫,「歴史における科学」みすず書房,(1967年) 2)武田和子,「化学と人間の物語 たのしく読める化学史」,河出書房新社,(1966年) 3)アイザック・アシモフ「化学の歴史」玉虫文一,竹内敬人訳 河出書房,(1967年)
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●注意事項
単に事物を調べるだけではなく、調べたことと⾃分たちの持っている知識を統合して問題の解決に取り組むこと。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
人類共通の課題を考えます。そのために文理、分野、その他の境界を超えて、様々な考えを持つ学生が集まり、議論できることが理想です。
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