●本授業の目的およびねらい
人類は、物質の特徴を利用して、豊かな生活を実現してきました。一方で思わぬ被害をもたらしています。物質の特性や反応性を正しく理解することは快適で安全な生活を送る上で不可欠です。現在社会において、科学技術の果たす役割は、益々重要になっています。本講義では、「炭素」を例として、物質・材料の工学的な基礎事項を修得することを目的とします。さらに、我々の生活と物質・材料との関わりについての認識と理解を深めるとともに、科学技術の果たす役割について考えることをねらいとします。
|
●履修条件あるいは関連する科目等
高校化学・物理の基礎知識があることが望ましいが、特段の条件はありません。 高等学校の化学の教科書、あるいは 新しい高校化学の教科書、Blue Backs B1508 が基礎として参考になります。
|
●授業内容
1.物質? 材料? (原子、結合、結晶・非晶質、状態図、相変化) 2.炭素の種類[黒鉛、ダイヤモンド、フラーレン、ナノチューブ]と炭素材料の歴史 (同素体、燃料[炭]から先端材料へ) 3.ダイヤモンド (宝石だけではない工業材料としての利用) 4.炭素と航空宇宙・高層ビル (炭素繊維、CFRP、C/Cコンポジット) 5.炭素とエネルギー貯蔵・創製 (燃料電池、二次電池、キャパシタで活躍する炭素) 6.生物に優しい炭素 (環境浄化、魚礁、生体材料としての炭素) 7.炭素材料製造に関する最近の話題 (原料に混ぜ物をして酸化防止や省エネ・省資源を達成)
|
●成績評価の方法
各授業内容の重みは等価です。出席に代えて出題するレポートによって評価します。評価は90点以上がS,90点未満~80点以上がA,80点未満~70点以上がB,70点未満~60点以上がCで合格とします。
|
●教科書
教科書は使用せず、参考書として記載してある書籍、および最新内容を編集した資料を配布します。
|
●参考書
1.ダイヤモンドの科学、松原聰、Blue Backs Y940、講談社 2.炭素 -微生物と水環境をめぐって-、大谷杉郎・小島昭、東海大学出版会 3.Cの科学と技術 -炭素材料の不思議-、白石・大谷・京谷・山田、コロナ社 4.カーボン 古くて新しい材料、稲垣道夫、森北出版
|
●注意事項
レポートを提出することを評価の前提とします。
|
●本授業に関する参照Webページ
|
●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
炭素の新たな一面を感じてもらえる講義にしたいと考えています。 予習は特に必要としません。復習を重視します。毎回、簡単なレポートを課します。 講義に出席し、その内容に関連して出題されるレポートを次々回の講義時までに提出することで、出席の確保と評価にします。 なお、提出必要レポート数の7割超のレポート提出がない場合は、不合格とします。
|