●本授業の目的およびねらい
ロシア語を初めて学ぶ受講生を対象に、一貫した授業計画に基づいてロシア語に関する基 礎知識と運用力を養成する科目である。「読む」「書く」「聞く」「話す」の四技能をバ ランスよく総合的に身につけることを目指す。ティーチング・アシスタントの協力が得ら れれば「生きたロシア語」に触れながら学習を進める。また、ロシア語世界が身近になる よう、視聴覚メディアなどを通じて文化・風俗・歴史・社会事情等についても学び、国際 的視野を涵養する一歩とする。目標は「ロシア語に親しむ」である。
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●履修条件あるいは関連する科目等
ロシア語3とともに履修すること。
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●授業内容
この授業では、まず前期のテキストの続きを行う。授業テーマは以下である。 1.月日の表現のまとめ:曜日、年月日の表現 2.普遍人称文 3.慣用的な表現、譲歩を表す表現等 4.形動詞と関係代名詞を用いた表現: 5.読み物(2) テキストを終わった後は、テキストで習得した文法事項を復習しながら、平易なロシア語 のテキストの講読やロシア語の作文をする。これと平行して、ロシア語の文章読解のため に必要な動詞の完了体と不完了体の用法や、語順等の基本的な統語法の学習を行う。口頭 表現の練習では、対話テキストおよびビデオ等の教材を用いて基本的な口頭表現のパター ンを習得した後、それを用いて自己表現の練習を行う。授業テーマは以下である。 6.格の用法(2):名詞の格変化とアクセントの移動 7.動詞の完了体と不完了体(2):体と未来時制 8.動詞の完了体と不完了体(4):命令法と体 9.基本語順(2):テーマとレーマと語順との関係 10.動詞派生形のアクセント(命令形、副動詞、形動詞のアクセント) 11.無人称構文(2) 12.数詞(2):分数、小数の表現と集合数詞 13.動詞の接頭辞と前置詞 14.文の構造(2):単文と複文、接続詞 15.特殊な構文(2)
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●成績評価の方法
平常点および試験の成績により評価する。
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●教科書
佐々木照央著「速修ロシア語」(白水社)、プリント配布。
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●参考書
参考書は授業中に指示する。露和辞典は、「博友社ロシア語辞典」、「岩波ロシア語 辞典」、「研究社露和辞典」の内から一冊を購入すること。
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●注意事項
露和辞典を必ず持参すること。
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
大学生になったことを実感することの一つに新しい外国語を学ぶことがあるのではない でしょうか。新鮮なこの思いも時が経つにつれて次第に重荷になる人が多いようですが、 そうならないためにも腰を落ち着けてじっくりと語学を学んで行くことが必要です。 以下ではロシア語を学ぶ際に必要となる辞書について書いてみましょう。 ロシア語は語形が複雑に変化しますので、語の形を辞書で引いてもそのままの形では辞 書に出ていないことが多いのです。初学者はこれで嫌になるかも知れません。従って、文 法が少し分かりかけた段階で辞書を使えばよいでしょう。この十数年ほどに二冊の大きな ロシア語辞典が出版され、そのどちらも学問的に立派な辞典です。 (1)「研究社露和辞典」(研究社):この辞典は語彙数26万語と我が国最大の辞書で す。語彙数だけでなく文法事項や例文・用例、慣用的表現などが豊富に載せられており、 これ一冊あれば他のロシア語の辞典は必要ないほどのものです。また語彙数の多さから、 理工系の専門分野の語彙も豊富に載っています。この辞書は量と質に関して我が国(ある いは世界でも)最高のもので、我が国のロシア語研究の水準の高さを実感させるものがあ ります。しかし初級者には高級すぎるかも知れません。 (2)「岩波ロシア語辞典」(岩波書店):この辞典は前記の辞典より語彙数は少なく、 13万語ぐらいのものです。しかし研究社の辞典より後に出版されたこともあり、比較的 新しい語彙が載っています。また研究社の辞書とほぼ同じ大きさにも拘わらず、語数が少 ないだけに辞書が見やすくなっています。勿論、文法的な項目や例文等もしっかりしてい ますし、何よりも全体的に洗練されています。 初級者にも引きやすく、しかも学問的にもしっかりした辞書には次のものがあります: (3)「博友社ロシア語辞典」(博友社):この辞書は改訂版が出て新しくなりました。 辞書の語彙数は6万語ぐらいです。この数は初級・中級者に丁度良い語彙数ですし、例文 も初級の人にはわかりやすいものです。また簡単な和露語彙集が付いていますし、各単語 に発音記号が表記されています。
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