●本授業の目的およびねらい
身近で利用されている家電製品や、電子測定器の動作原理である電磁気学の法則を理解する。それを通じて、各種の測定機の効果的な使い方を理解する。
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●履修条件あるいは関連する科目等
高校で「物理」を履修していなくともよい。「物理学基礎Ⅰ」履修が望ましいが、必須ではない。Ⅲ期で物理学実験の受講するには、この講義を履修していることが望ましい。
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●授業内容
1.静電場 電気の性質(導体と静電誘導、誘電分極)、 電荷のつくる電界(点電荷のつくる電界、電気力線、ガウスの法則)、 電位(静電ポテンシャル、電界と電位差)、双極子、電界中の運動、 2.電流 導体と絶縁体、定常電流(電子の流れとしての電流)、電気抵抗(オームの法則)、 電気回路(ブリッジ回路)、コンデンサー(電気容量、コンデンサーの並列、直列接続)、 半導体(トランジスターの原理、増幅の原理)、 3.磁場 磁石(磁界、磁界中の電流が受ける力、磁束密度、磁性体)、 電流のつくる磁界(コイルのつくる磁界、アンペールの法則)、 電磁力の利用(モーターなど)、磁界中の荷電粒子の運動(ローレンツ力)、 4.電磁誘導 電磁誘導(電磁誘導の法則、発電機の原理、電磁調理器の原理)、 5.交流と電磁波 交流(交流の周波数、実行値)、コンデンサーとコイルのリアクタンス、 充電器の原理(コンセントの交流を直流に変換する方法)、 電磁波の性質(波としての性質、偏光と液晶テレビの原理)、
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●成績評価の方法
毎回出題する簡単な演習問題のレポートと、期末試験を同等に評価する。レポートはTA(院生)に添削してもらうが、回答の他に質問を書き込むことも歓迎する。履修取下げ制度を採用する。
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●教科書
「電磁気学」小出昭一郎 著、嘗華房
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●参考書
なし、必要に応じて資料を配布する。
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●注意事項
質問する時間を設けるので、疑問点は早めに解消すること。 暗記科目ではないので、試験には自筆のメモ(A4二枚まで)を持ち込んでも良い。 また、講義内容の理解を深めるために授業中に簡単な実験も行うので、お楽しみに。
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●本授業に関する参照Webページ
http://ocw.nagoya-u.jp/
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
物理法則の実例として、最近の科学ニュースや、事故などを物理的に解説する。「物理」の認識不足が大事故につながっている例が多いことが分かる。
また、授業中に各自の机の上で簡単な実験をいくつか体験してもらう予定である。 例えば、銅線を液体窒素で零下約200度まで冷やすと銅原子の熱振動が鎮まる。そうすると、伝導電子が散乱される頻度が変わり、電気抵抗がどのよう変化するか、自分で確かめてもらう予定である。また、超伝導体の磁気浮上も体験する。 実験の一部は下記サイト「名大の授業-物理学基礎Ⅰ」の中でも紹介しているので、参照のこと。
電磁気学に限らず、科学全般に関する質問にも応じるので、積極的に取り組んで理解を深めてほしい。
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