2012年度 シラバス情報詳細

●時間割コード
20120014416

●科目区分
理系基礎科目(理系)

●科目名
微分積分学Ⅰ
●主担当教員名
稲濱 譲

●単位数
2単位

●開講時期
Ⅰ期
木・4
●対象学部
理学部(1〜3)



●本授業の目的およびねらい

定量的変化を記述・分析する数学の分野が解析学であり,その中心的方法は微分・積分である.これらの方法は自然科学において必須の研究手法であるが,近年はさらに社会科学などにも広く応用されている.本科目は通年講義の前半として,一変数微分積分学の基本を理解することを目的とする.特に極限の本質を理解し,対数関数・三角関数など初等関数の自在な解析学的取扱いができるようになることを重視する.

●履修条件あるいは関連する科目等

高校数学の内容を既知とする.微分積分学IIとあわせて完結した講義となる.

●授業内容

以下の授業内容は標準的に教えられるものであり,講義の順序を示すものではない.また,クラスによっては,さらに進んだ内容が教えられる場合もある.実際の講義予定は別に提示する.

1.数列・関数の極限と連続性
 数列・関数の極限に関する基本的事項と連続関数の基本性質を学ぶ.
(キーワード)数列・関数の極限,有界単調数列の収束定理,連続関数の基本性質とその応用
(発展的内容)実数の連続性・完備性,区間縮小法,収束・発散の速さの評価,ε-N論法,ε-δ論法

2.一変数関数の微分法
 微分の基本的性質およびその解析・幾何・物理的な意味について理解する.さらに,微分法を用いて関数の様々な性質について調べられるようにする.
(キーワード)微分の定義と幾何的意味,導関数と基本公式,初等関数の逆関数とその導関数,平均値の定理,高階導関数,テイラーの定理,不定形の極限
(発展的内容)接線,平均値の定理の応用,極値問題,近似計算と誤差の評価,漸近展開,(無限次)テイラー展開,べき級数の収束半径,凸性

3.一変数関数の積分法
 リーマン積分を通して定積分を理解する.さらに,広義積分について学習する.
(キーワード)区分求積法,定積分,不定積分,微積分学の基本定理,広義積分
(発展的内容)種々の関数の積分法,部分分数展開,連続関数の積分可能性,曲線の長さ,広義積分の収束発散の判定,ガンマ関数,ベータ関数,直交多項式

●成績評価の方法

主に期末試験の成績により評価する。中間試験を行った場合はその結果も加味する.
(なお定期試験を放棄した場合には、基本的に「欠席」として扱う。)

●教科書

微分積分講義、南 和彦(著)、裳華房、にする予定。正式には初回の授業で発表する。

●参考書

教科書に指定した本より詳しいものとしては、例えば以下の物がある。教科書では物足りない人とか、背伸びして先の世界をのぞいてみたい人に最適。
1)微分積分学、笠原 晧司(著)、サイエンス社
2) 解析入門 (1)、杉浦 光夫 (著)、東京大学出版会

●注意事項

実際に自分で手を動かしてみなければ、数学がわかるようにはならないものです。
しかし授業時間が限られているので,問題演習の時間があまりとれません。
よって自宅での演習が不可欠です。

●本授業に関する参照Webページ



●担当者からの言葉(Webページのみ表示)

大学で学ぶ数学は,高校までの計算中心の数学とはかなり雰囲気が違います.
より厳密で抽象的な理論となり,初めは難しく感じたり戸惑ったりするかも知れません.しかし,諦めずに根気強く勉強すれば,本当の数学の面白さが感じられる事でしょう.


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