●本授業の目的およびねらい
遺伝子診断や地球温暖化などに代表されるように、生物学に関連する様々な問題が広範な分野において顕在化しつつあり、日常的な話題にも上るようになってきている。本講義では、それらの問題を平易に解説する。これによって、日常生活で遭遇する生物学的な諸問題を正確に理解し適切な判断を行うための素養を養成する。また、生命現象の基本について、社会科学や心理学などとの関係も含めて、理解を深める。
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●履修条件あるいは関連する科目等
生物学関連の話題に強い興味を持つこと。体系的な生物学の知識を持つ必要はないが、個人的な興味の範囲でよいので生物学に関する体験(読書、セミナー参加、屋内外での生物飼育・観察など)を持つことが望ましい。
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●授業内容
(この授業は夏原由博教授と青木摂之准教授が同じ回数ずつ分担する) ・遺伝子の基本的な構造を理解する(青木)。 ・遺伝子の構造に基づいて、生物の様々な特徴がどのように発現し、どのように世代間で伝達されるかについて理解する(青木)。 ・生物の体を構成する細胞の基本的な成り立ちと働きについて理解する(青木)。 ・現代生物学の成果が、医学・農業・園芸などの応用分野においてどのように活用されているのか、またその際に基盤となる原理は何かを理解する(青木)。 ・地球環境と生物の進化:誕生直後の地球大気には酸素はほとんど含まれていなかった。地球環境と生物の間の相互作用とその変化について理解する(夏原)。 ・生態系:地球上の生態系の概要について知るとともに、名古屋大学内の生態系について調べてみる(夏原)。 ・個体群と種間相互作用:3億個も産卵するマンボウで海が一杯にならないのはなぜか。個体数を調節する要因と生物間の関係について理解する(夏原)。 ・行動生態学:子どもを生まない働き蜂がなぜ進化したのか。行動の進化についての理論を理解する(夏原)。 ・生物多様性の危機:地球規模ですすむ生物の絶滅の原因について知り、保護の方法を考える(夏原)。 ・生態系の利用と管理:食物をはじめとして、私たちの暮らしをささえる生態系の持続的な利用について考える(夏原)。
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●成績評価の方法
・試験(60%)、レポート(30%)および講義出欠(10%)をもとに成績評価を行う。 ・履修取り下げ制度を採用する。 ・試験・レポート・講義出欠など総合的な学習状況により「欠席」か否かを判断する。
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●教科書
講義資料をNUCTからダウンロードしておくこと(夏原)。 必要な資料・教科書は授業中に周知する(青木)。
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●参考書
生態学入門,日本生態学会編,(ISBN)4-8079-0598-8 キャンベル生物学,小林興監訳,978-4-621-07836-5 地球環境と保全生物学,鷲谷いづみ他,978-4-00-006966-3(以上夏原) Essential細胞生物学,Bruce Alberts他、978-4524262144(青木)
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●注意事項
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●本授業に関する参照Webページ
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●担当者からの言葉(Webページのみ表示)
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