●本授業の目的およびねらい
フランス語基礎文法を既に習得した学生を対象とし、フランス語の文章の読解能力、フランス語による表現能力の向上をはかる。また、フランス語圏の社会・文化について一層深い理解を獲得できるようにする。
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●履修条件あるいは関連する科目等
同じ時間帯に開講される2つの授業から一つを選択する。
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●授業内容
比較的平易なフランス語の新聞・雑誌記事などを使用し、現代フランス語圏や国際的事象を題材とした記事の読解をしていく。主に政治・経済・社会分野が中心となるが、参加者の興味に応じ付随的に映画・歌・レシピ他の素材も取り上げる。読解においては「こなれた日本語訳を作る」ことが目的ではなく、むしろテキストの「フランス語の論理にいかに入り込むか」を探ることが重要となる。現代社会・国際情勢に関連した語彙・知識を増やすと共に、簡単な作文の練習や基礎文法の確認、そして特に聞き取り・発音にも力を入れる予定。そのためネットを活用した宿題を頻繁にお願いする。
報道記事を読むことは単に「起こった事実」の確認をすることではなく、メディアが何を「事件」として取り上げ、どのような視点で事象を分析するかに注目することでもある。例えばアラブ世界やアフリカ、中・南米他の地域が取りあげられることが比較的少ない日本のメディア環境に身を置きながら、私たちはそのような国際事象がトップニュースとして扱われ様々な角度から論じられる、「別のメディア世界」に向き合うことになる。どのような社会背景・世界観がこのような関心を生み出すのか、日本のメディアには見られない視点とは何か、このような大きな問題も考えながら批判的に記事を読み、自分自身の視座・新たな問題意識を発見するための手助けとしてほしい。
学習者用に誂えられた教科書の文章とは違い、生の報道記事は内容のみならず文章的にも読み応えがある。最初はとても難しく感じられるかもしれない。そのため、学期の前半期には主に基礎文法と使用頻度の高い語彙確認に力を入れ、かなり時間をかけて、ゆっくり丁寧にテキストを読み進む予定である。中間・後半期にかけては読解のスピードを徐々に上げ、短いテキストをなるべく数多く読みこなしていく。
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●成績評価の方法
平常点(授業への積極的な参加・発表・レポート提出など)30%、定期試験70%。
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●教科書
その都度プリントを配布する。特にルモンド紙をはじめとするフランスの新聞や、テレビ・ニュース(例えばFR2やTV5)などを「おこしたもの」をテキストとする。
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●参考書
特になし。
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●注意事項
特になし。
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