●本授業の目的およびねらい
本授業は、学術的な英文に関する基礎的なリーディング能力とライティング能力の養成を目的とする。そのねらいは、研究拠点大学である名古屋大学の学生にふさわしい学術英語を使いこなす能力を身につけるところにある。論理的な英文のカギとなるエッセイの構造に着目し、目的に応じて必要な情報をいかに読みとるか、また逆に、自分の考えをその根拠とともにいかに説得力ある論理的な英文に組み立てるかを学ぶ。将来、専門の論文を英語で読んだり書いたりする時に、指針となる英文構成法の基礎、および実際に役立つ英語表現を多く習得する。
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●履修条件あるいは関連する科目等
各自の英語力に合わせて予習をし、できるだけ正確に理解しておくこと。授業では積極的 に質問およびコメントをすること。アット・ランダムに担当してもらう。真面目が肝心。 2回の遅刻は1回の欠席に換算。予習忘れは遅刻扱い。
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●授業内容
(1)授業の前半は TOEFL 対策のリーディング、後半は Criterion 対策のライティングを主とする。授業内容の詳細はすべて第1回目の授業の最初にプリントを配って説明する。 (2)リーディングでは、教員が作成した TOEFL の「標準的な」リーディング教材を、毎週、指定された時間(6~11分)で実践的に自宅で解答し、そのあと知らない単語を辞書で調べ(暗記にも努め)、問題文の内容をしっかりと把握してから授業に臨むこと。予習の時間は各自の読解力に応じて30分~90分。授業ではアット・ランダムに指名して日本語訳を言わされるので予習は必須。 (3)教員は、文法と前後関係を正確に押さえた解釈と翻訳をするだけでなく、同意語・反意語とともに日常生活で使用されているカタナカの英単語を説明しながら、学生の語彙力をアップさせる。また、TOEFL のリーディング問題の特徴を指摘し、パラグラフ・リーディングの仕方や要領よく解答するための「コツ」を教える。 (4)ライティングでは、クラス専用に指定されたウェブ上の掲示板で、2週に1度の割合で Criterion の模擬問題が掲載されるので、学生は締切までに250~300語のショート・エッセイを書く。 (5)クラスにはティーチング・アシスタントが配置されているので、毎週数名のショート・エッセイを添削して返却してくれる。 (6)毎週、授業の後半に誰かのショート・エッセイがサンプルとして配布されるので、最初に5~6分で各自に校正してもらい、アット・ランダムに指名された学生に文法と語彙の誤用を指摘してもらう(発表に対しては1点の加点または減点がなされる)。そのあと、教員がサンプルの校正をしながら、パラグラフ・ライティングの仕方や達意の英文の書き方を教える。 (7)英語教育では、英語の4技能とは別に、英語圏の文化について造詣を深める必要ある。この授業では、期末試験とは別に、ボーナス点(10〜20点)として、イギリスの短篇小説(翻訳)を読み、現代日本が直面している社会問題と絡めて論じる2,000字のレポートが自由選択できる。
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●成績評価の方法
対面授業の成績(50%)+学期末検定試験(30%)+ぎゅっとeの消化率(20%)。自由選択の課題として、ボーナス(10~20点)付きのレポート有り。
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●教科書
教科書はは第1回目の授業で指示する。基本的には、ウェブ上に教員が置いた「無料の」電子テキスト(ワード文書)をダウンロードしたあと、プリントアウトしたものを使用する。
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●参考書
高校時代の辞書には載っていない専門用語やその他の語彙を調べる必要があるので、また 専門課程の授業で最新の論文講読もあるので、『リーダーズ英和辞典』(または、これが入った電子辞書)を買うこと。文法に関しては石黒昭博(同志社大学名誉教授)監修の 『総合英語 Forest(第5版)』 (桐原書店、1,450円)を推薦する。
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●注意事項
対面授業に加え、課外学習として、英語(中級)用「ぎゅっとe」リーディングを課し、その消化率に基づく評価を授業全体の評価の20%とする。またTOEFL-ITP(Reading)およびCriterionの評価を30%とする。なお、5回以上欠席をした場合、「欠席」の評価がつく。
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