●本授業の目的およびねらい
自然科学の基礎学問である力学を、身近な現象の力学的解明を通じて学ぶことを指針とする。物理学科進学を希望する学生および専門を学ぶ上で力学が重要となる学生を対象とする。それのみならず、科学を学ぶ学生には必要な基礎である。
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●履修条件あるいは関連する科目等
高校における物理学の履修を前提とする。理学部物理学科では必修科目になっているので、物理学科進学希望者は、高校で履修していなくとも受講してよい。
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●授業内容
(1)力学の準備 基本的な概念や数学的な取り扱いの基礎から導入する。具体的には、位置、速度、加速度などを通し、座標(デカルト座標、極座標)、ベクトル(位置ベクトル、速度ベクトル、加速度ベクトル)とベクトル演算(スカラー積、ベクトル積)、微分、そして次元(単位)を復習し学ぶ。
(2)ニュートンの運動方程式 ニュートンの3つの運動の法則(慣性の法則、運動方程式、作用反作用の法則)と、その簡単な具体的適用を学ぶ。微分方程式 (運動方程式、初期値問題)を解くことにより、質点の直線運動、重力下での運動(放物運動)や力学現象で重要な振動、特にその基礎である単振動(調和振動子)、単振り子やばねの振動とその特性を知る。
(3)運動量、力積、エネルギー、仕事 大切な概念である運動量、角運動量、運動エネルギー、位置エネルギー(ポテンシャル)を理解し、これらに関連する重要な保存則(運動量保存則、エネルギー保存則)を学ぶ。
(4)保存力とポテンシャル エネルギーや仕事、ポテンシャルと保存力を学び、物体の力学的運動を理解する。例題として万有引力(重力)のポテンシャルなどを扱う。そして、力のポテンシャルを「場」という物理量として学ぶ。
(5)運動する座標系と見かけの力 慣性系、ガリレイの相対性原理、「慣性力」、さらに回転座標系を学ぶ。回転座標系に伴う遠心力、コリオリの力を理解し、台風の渦がなぜ左巻きか、フーコーの振り子とは、ナイルの放物線とは、を知る。
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●成績評価の方法
期末試験、レポート等により総合的に評価する。
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●教科書
鈴村順三・大島隆義・大澤幸治 著 「理工学の基礎 力学」(培風館)
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●参考書
太田 信義 著 パリティー物理学コース「一般物理学(上)」(丸善) 長岡 洋介 著 「物理の基礎」(東京共学社) 和田 正信 著 「力学とは何か」(裳華房) A.P.フレンチ 著 「MIT物理 力学」(培風館)
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●注意事項
オフィスアワー 月曜日12:00-13:00, 水曜日16:30-17:30 随時(事前に電子メールで問い合わせること) 連絡先 harada@hken.phys.nagoya-u.ac.jp
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