2010年度 シラバス情報詳細

●科目区分
全学教養科目

●科目名
科学・技術の倫理
●主担当教員名
戸田山 和久

●単位数
2単位

●開講時期
V 期
火・2
●対象学部
全学部



●本授業の目的およびねらい
現代の人類が抱えている問題を解決していく上で科学技術の果たす役割は大きいが、同時

に科学・技術そのものがいろいろな問題を引き起こすという負の側面を持つことも否定で

きない。こうした性格を持つ科学・技術をどう扱っていくべきなのか、科学・技術とどう

つきあっていけばよいのだろうか。この授業では、研究者の倫理(特に生命を扱う研究者

の倫理)、技術者の倫理といった個別のプロフェッショナルの倫理を扱うとともに、社会

の中における科学技術のあるべき姿について考察し、それを通じて科学・技術に携わる者

とそれ以外の者の責任についての倫理的理解を身につける事を目指す。        


●履修条件あるいは関連する科目等
特になし                                    

                                        

                                        


●授業内容
(1)社会の一部としての科学技術 戸田山和久(情報科学研究科)         

・科学技術の発展によっても倫理問題がなくならないわけ              

・科学技術と人間の生活                             

・科学主義を越えて(欧米の事例)                        

・科学主義を越えて(日本の事例)                        

・科学技術倫理とは                               

・倫理学におけるクリティカル・シンキング                    

・倫理学における三大理論の基礎:帰結、道徳的推論、性格             

・応用倫理学と研究者の倫理                           

                                        

(2)動物研究の倫理:動物の利用と生命への配慮 上野吉一(東山動植物園)    

・生命倫理、動物倫理                              

・動物とヒトの関係:動物の利用と共存                      

・動物福祉:生命への配慮の実践                         

                                        

(3)技術者の倫理 黒田光太郎(工学研究科)                  

・プロフェッションとしての技術者                        

・技術者としての社会的責任                           

・水俣病における科学者、技術者、企業の責任                   

・内部告発の是非をめぐって                           

                                        

                                        

                                        

                                        

                                        


●成績評価の方法
各教員が出題するレポート。1/3以上欠席した者は成績評価を受ける資格を失います。

                                        

                                        



●教科書
指定しません                                  

                                        

                                        


●参考書
黒田・戸田山・伊勢田編『誇り高い技術者になろう』名大出版会 2004      

デボラ・ブラム 著『なぜサルを殺すのか』寺西のぶ子 訳 白揚社 2001    

                                        

                                        


●注意事項
将来研究者や技術者を目指すみなさんには是非受講してほしいが、科学技術の問題は科学

者や技術者だけががんばってなんとかなる問題ではなく、すべての人が考えていく必要が

ある。その意味でこの講義はすべての学生に開かれている。             

                                        



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