●本授業の目的およびねらい
表象を具現化する媒体にはさまざまなものがあるが、本講義では、とりわけ重要な媒体の
一つである言語について考える。我々の文化的な営みをより豊かにしていくためには、言
語をどのように活用していけばよいのか。このことを考える材料として、言語の基本的な
性質について学ぶと共に、言語を取り巻く諸問題を、文化・社会との関わりで考察するこ
とを通して、言語に対する理解を深めることを目的とする。
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●履修条件あるいは関連する科目等
関連科目 文系教養科目「ことばの不思議」
言語文化科目一般
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●授業内容
言語を研究する学問には言語学があるが、本講義では言語学そのものを学ぶのではなく、
言語に関わる問題をなるべく広い視野から取り上げてゆきたい。取り上げるテーマは次の
ようなものを予定しているが、授業時数の配分は受講者の数や受講者の関心に合わせて調
整する。受講者の関心によっては、下記以外のテーマに触れる場合もある。
・言語の基本的な特性(動物のコミュニケーション手段と言語は何が異なるのか、など)
・表象の媒体としての言語(他の媒体と言語は何が異なるのか、など)
・表現ツールとしての言語(翻訳はオリジナルと等価と言えるのか、など)
・思考ツールとしての言語(思考は言語に左右されるのか、など)
・社会的なツールとしての言語(日常生活で言語を使い分けるのはなぜか、など)
・社会的なパワーとしての言語(言語の価値は話し手の数に関わらず平等か、など)
・アイデンティティの基盤としての言語(少数言語や方言は維持すべきか、など)
そのほか、世界の言語事情や言語とコンピュータの関係についても触れる。
授業は基本的に講義形式で行うが、聞きっぱなしにならないよう課題を課すほか、授業中
もなるべく発言の機会を設けたい。
参考文献:
ディヴィッド・クリスタル『言語学百科事典』(大修館書店)
佐久間淳一『はじめてみよう言語学』(研究社)、
加藤重広『ことばの科学』(ひつじ書房)など。
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●成績評価の方法
出席点(20%)、課題提出(40%)、期末試験(40%)
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●教科書
教科書は使用しない。適宜資料を配布する。
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●参考書
授業内容の欄参照。その他、必要に応じて授業中に紹介する。
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●注意事項
授業中に紹介する参考書などにはできるだけ目を通すと共に、普段から言葉について考え
る習慣をつけてください。
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