2010年度 シラバス情報詳細

●科目区分
理系基礎科目(理系)

●科目名
微分積分学U
●主担当教員名
張 紹良

●単位数
2単位

●開講時期
U 期
月・1
●対象学部
工学部T系
〔1・2〕



●本授業の目的およびねらい
定量的変化を記述・分析する数学の分野が解析学であり,その中心的方法は微分・積分で

ある.これらの方法は自然科学において必須の研究手法であるが,近年はさらに社会科学

などにも広く応用されている.本科目は通年講義の後半として,多変数微分積分学の基本

を理解し,様々の計算に習熟して応用できるようになることを目的とする.特に多変数関

数のグラフなどを通して幾何学(空間)的イメージ,線形代数と結び付いた理解を重視す

る.                                      

                                        


●履修条件あるいは関連する科目等
高校数学,微分積分学Iの内容を既知とする.微分積分学Iとあわせて完結した講義とな

る.                                      

                                        


●授業内容
以下の授業内容は標準的に教えられるものであり,講義の順序を示すものではない.また

,クラスによっては,さらに進んだ内容が教えられる場合もある.実際の講義予定は別に

提示する.                                   

                                        

1.多変数関数の極限と連続性                          

多変数関数(特に2変数関数)の極限に関する基本的事項と連続関数の基本性質を学ぶ.

(キーワード)ユークリッド距離,点列の極限,多変数関数の極限と連続性      

(発展的内容)近傍,開集合,閉集合,連続関数の性質               

                                        

2.多変数関数の微分法                             

多変数関数(特に2変数関数)について微分法の基礎を理解する.さらにそれを用いて,

平面上の関数の様々な性質について調べられるようにし,極値問題などへの応用を学ぶ.

                                        

(キーワード)偏微分と方向微分,合成関数の偏微分,テイラーの定理,高階偏導関数,

極値問題                                    

(発展的内容)全微分,接平面の方程式,座標変換,勾配ベクトル,二次形式としての 

ヘシアン,陰関数定理,ラグランジュの未定乗数法,多変数関数           

                                        

3.多変数関数の積分法                             

重積分の意味を理解し,累次積分による積分計算に習熟する.さらに,極座標変換などの

例を通して,変数変換とその重積分への応用を学ぶ.                

(キーワード)重積分,累次積分,変数変換,ヤコビアン              

(発展的内容)積分順序交換,曲面積と体積,(多変数)広義積分,線積分,グリーンの

定理                                      

                                        


●成績評価の方法
主として筆記試験により合否判定と成績評価を行う.それに,小テストやレポート等  

の内容をも加味する.                              

                                        



●教科書
三宅敏恒著 入門微分積分(培風館)(前期と同じ本.必ず購入すること.)     

                                        

                                        


●参考書
・高木貞治著,解析概論,岩波書店                        

・杉浦光夫著,解析入門I,東京大学出版会                    

                                        

                                        


●注意事項
講義時間は限られてる.それを補うためには,自宅での学習は必要不可欠である.   

                                        

                                        

                                        



時間割一覧へ戻る