●本授業の目的およびねらい
現代の科学・技術は経済、社会、自然環境、国際紛争、個人の生活様式、宗教等の分野に
おいて、今世紀のみならず、次世紀に亘って支配的とも言える影響を与えるといって過言
ではない。21世紀における人間・社会・国家の有り様を展望するうえで、20世紀の科
学・技術の変遷をレヴューすることは極めて有効である。本授業では、特に、20世紀の
日本の化学技術の変遷、技術革新の要因等を社会との関係で明らかにすることにより、将
来の化学技術、ひいては科学技術と社会の有り様を展望するうえで重要な知見を得ること
を目的とする。
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●履修条件あるいは関連する科目等
関連科目:「科学・技術の哲学」「人間と環境」「社会と環境」「産業社会と企業」
「自然環境と人間」「環境問題と人間」
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●授業内容
20世紀の日本は西欧の近代化学技術を導入し、工業として成長させ、西欧からの自立を
はかっていった。その特徴を社会、国家、自然等との関係の中で個別事例を紹介しながら
理解させ、21世紀の化学技術の有り様を展望するための情報を得る。教科書を使って授
業を行うので、予習をしておくこと。
1.高圧合成技術の歴史
(1)アンモニア合成技術の歴史
(2)メタノール合成技術の歴史
(3)尿素合成技術の歴史
2.ポリマー合成技術の歴史
(4)高圧法ポリエチレン合成技術の歴史
(5)低圧法ポリエチレン合成技術の歴史
(6)合成ゴム開発の歴史
(7)塩化ビニールの製造技術の歴史
3.公害と化学技術の歴史
(8)水俣病と社会
(9)苛性ソーダの製造技術の歴史
(10)合成洗剤の開発の歴史
4.技術開発を可能にした要因
(11)国際的な動向
(12)原料問題
(13)技術者の情熱
(14)公害防止
5.21世紀の化学技術の展望
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●成績評価の方法
授業内容から3課題を選び、まとめと考察として提出することを基本とする。なお、欠席
回数が6回以上の場合は、成績評価の対象から除く。
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●教科書
化学史学会編『20世紀の日本の化学技術−21世紀が見えてくる−』
(TIC,2004年)
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●参考書
亀山哲也他著『科学と国家と宗教』(平凡社、1995年)
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●注意事項
特になし
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