●本授業の目的およびねらい
本実験では,地球科学の中でも特に地質に関係した分野について学ぶ上で基本的となる技
術,すなわち地形図や地質図の見方,肉眼や偏光顕微鏡を用いた岩石・鉱物鑑定,化石の
観察について室内実験を通して習得する。それと並行して,期間中の休日に1回,野外見
学に参加し,講義や実験で学ぶ事項が野外でどのような形で現れているのか実際に目で確
かめることによって,より具体的に地球科学の基礎を体得できるようにする。
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●履修条件あるいは関連する科目等
高校における地学の履修を前提としない。
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●授業内容
1.野外での地球科学的調査に必要な,地形・地質に関する基礎的実験。
a.地形図を基に,地形の各種パターンを読みとる。
b.地層の概念を理解し,地形図に地層の分布を記入する。
c.名古屋大学構内あるいは周辺の地形・地質の観察,または博物館の展示資料見学。
2.岩石・鉱物に関する基礎的実験。
a.岩石と造岩鉱物を肉眼で識別し,岩石を成因的に分類する。
b.鉱物の物理的諸性質を観察・測定する。
3.偏光顕微鏡の観察法に関する基礎的実験。
a.偏光顕微鏡の取扱い方を学ぶ。
b.鉱物の光学的性質を測定する。
c.岩石・鉱物の組織を観察し,それらの成因を考察する。
4.古生物に関する基礎的実験。
a.有孔虫などの微化石を顕微鏡下で観察し,分類・同定する。
b.有孔虫などの微化石を用いて古環境を復元する。
5.学期中の休日を利用して野外見学を行う。
地層・岩石・鉱物・化石の産状および地質構造を野外で観察する。
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●成績評価の方法
毎回提出するレポートの内容,実験に取り組む態度と意欲などから総合的に評価する。
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●教科書
環境システム論講座編「地球科学基礎III(実験)指導書」
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●参考書
佐藤仁朗編「地図の見方」(ニュー・サイエンス社)
狩野謙一著「野外地質調査の基礎」(古今書院)
井上勤監修「岩石・化石の顕微鏡観察」(地人書館)
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●注意事項
実験室内は飲食厳禁。
野外見学に不参加の場合は単位を出さない。
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